沿線丸ごとホテル化へ新会社 JR東日本とさとゆめ、事業に本腰

2021.12.06 00:00

地域住民がキャストとなり、宿泊客を出迎える

 JR東日本は地域活性化支援企業のさとゆめと共同出資会社「沿線まるごと」を設立する。駅舎をホテルのフロントに、古民家を客室に、地域住民をキャストとして沿線を1つのホテルに見立てて接客・運営する地域振興事業で、実証実験の結果を踏まえ、本格着手することとした。出資比率はさとゆめが53.3%、JR 東日本が 46.7%。

 過疎化が進む青梅線沿線の活性化に向け、両者は沿線まるごとホテルのサービス開発に取り組み、2~4月に実証実験を行った。その成果が良好だったことから、本格的な事業化でさまざまな協業を推進し、新たな滞在型観光やマイクロツーリズムを掘り起こす。

 青梅線無人駅の鳩ノ巣駅を観光拠点として改修・整備する。チェックインや沿線集落のホッピング起点、情報発信、交流拠点としても活用する。地域体験・宿泊プランは準備が整い次第、実証実験とは異なる時期と集落で行う予定。ホテルは22年度内に空き家を改修し、23年に宿泊サービスを開始する。その後、順次改修・開業し、26年には全5~8棟での稼働体制とする。

 さらに青梅線を集落単位で捉え、その地域ならではの地産品・体験を提供することにより、地域住民と共に課題の解決や持続可能な事業に取り組む。

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