JR東日本、無人駅や空き家を生かし沿線丸ごとホテルに さとゆめと協業
2021.02.08 00:00
JR東日本八王子支社とJR東日本スタートアップは地方活性化事業を手掛けるさとゆめと協業し、「沿線まるごとホテル」事業を開始した。点在する空き家をホテルの客室として改修し、沿線全体をホテルに見立てるというコンセプト。東京アドベンチャーラインの愛称で利用促進に取り組んでいるJR青海線の青梅/奥多摩駅間と、過疎化や高齢化に直面している沿線地域の活性化を目指し、新たな滞在型観光やマイクロツーリズムの創出を図る。
無人駅の駅舎など、JR東日本が保有する交通インフラをホテルのフロントやロビーとして活用する。無人駅でのチェックイン、集落ホッピング、沿線ガストロノミー、古民家ステイの4つを主要コンテンツと位置付けた。
地域住民が接客や運営に携わるのも特徴の1つ。無人駅チェックインでは、電車が到着する時間に合わせ、住民がホテルスタッフとしてホームまで迎えに行く。送迎車で宿に移動するまでの間に集落を案内するという仕組みだ。観光の視点から暮らしを見つめ直す「生活観光」など新しい旅のあり方を提案することで、地域の魅力の再発見だけでなく、地域側が新たなつながりを見いだす機会の創出も狙っている。
手始めに実証実験として2月17日~3月31日の期間中、白丸駅と奥多摩駅、奥多摩町白丸集落、境集落、山梨県小菅村中組集落を舞台とした「無人駅からはじまる、源流への旅」を実施する予定。小菅村にある築150年の邸宅を改装した古民家ホテル「NIPPONIA小菅 源流の村」に宿泊し、多摩川の清流で育ったワサビや川魚、東京しゃもなど、沿線の食材を楽しめる。集落ホッピングではワサビ田や神社などを訪問。1泊2食と体験付きで2万7000円(2人1室)で販売している。
【あわせて読みたい】出でよ分散型ホテル、日本版アルベルゴ・ディフーゾ アルベルゴ・ディフーゾ協会ダッラーラ会長が語る「分散型ホテルの可能性」
カテゴリ#地域の観光#新着記事
キーワード#JR東日本#新着記事
キーワード#さとゆめ#新着記事
週刊トラベルジャーナル最新号
アクセスランキング
Ranking
-
福岡周遊バスツアー、統一ブランドで一挙展開 DCキャンペーンの目玉
-
戦略修正で旅行成約率20%に 海外旅行の「こころから」 行き場のない消費者に対応
-
DMO制度のこれから 課題多き地域の司令塔づくり
-
沖縄ツーリスト、最高益の16億円確保 スリム化やDX強化で収益性改善
-
訪日客の農泊促進へ重点28地域 農水省、受け入れ体制整備を優先支援
-
クラツー、新たな市場獲得へ短時間ツアー 訪日客も視野
-
百貨店の免税売上高、1月は約400億円 消耗品の伸び顕著
-
JTB、旅館再生ファンドに出資 宿泊施設の成長促し、地域を面的支援
-
持続可能な観光地、箱根が部門別世界1位 車椅子の旅に高評価 日本から2年連続トップ
-
羽田空港で能登の復興支援 自販機で寄付可能に