タクシー変動運賃の実証実験開始 国交省、制度化見据え課題抽出
2021.10.18 00:00
国土交通省は、需要に応じて一定の幅内でタクシー運賃を変動できる実証実験を都内で開始した。配車アプリを活用し、乗車前に運賃が確定する事前確定運賃を変動させる仕組み。ただし、流し営業は対象外とした。「もう少し安く利用したい」「混んでいるときにタクシーがつかまりづらい」などといった利用者のニーズに応える選択肢の1つとして実施する。運用上の課題を抽出し、今後の制度化に向けて検討を重ねる。
現行のタクシー運賃は、行政が定めた一定の幅(公定幅)内で自社の運賃額を決定する。地域によって異なるが、東京23区と武蔵野市・三鷹市の場合、初乗り運賃は390~420円が公定幅となっている。これに障害者割引(1割引)と深夜早朝割増(2割増)を設定できるため、各社が取り得る最小・最大の初乗り運賃は351~504円となっている。
10月11日~12月13日の実証実験で適用する事前確定型変動運賃は、この範囲内で運賃を変動することが可能。さらには障害者割引と深夜早朝割増を別途設定できる。
実証実験で活用する配車アプリは、モビリティテクノロジーズのGOまたはウーバージャパンのUber。延べ17事業者・約9100台のタクシーが参加する。運賃はその日の天候や最寄りのイベント開催等による需給に応じて、各社の国創意工夫によって変動できるが、変動要件を事前に公表することが求められる。なお、リアルタイムで変動させるほか、あらかじめ設定したとおりに運用する方法を取り入れることもできる。
ちなみに、国交省は今回の変動運賃による需要喚起で総収入が増加することは問題ないとしているが、変動運賃の平均単価が公定幅内に収まることが条件となっている。
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