西武HD、アウトドア事業を本格推進 ベンチャーと新会社、30年に1兆円市場へ
2021.10.11 00:00
![](https://www.tjnet.co.jp/wp-content/uploads/2021/10/1018_P04-02_R.jpg)
西武ホールディングスはコロナ後の社会を見据え、アウトドア事業を本格推進する。造園・緑地事業専門子会社の西武造園とキャンプ場検索予約サイトなどアウトドア事業を手掛けるR.project(アールプロジェクト)が10月1日、新会社ステップアウトを設立した。25年までに国内30拠点以上で身近な公園でのアウトドアを提供し、30年までに西武グループ保有の遊休地に5拠点以上のキャンプ場を整備する。年間利用者100万人以上を目指す。
西武HDの後藤高志代表取締役社長は、「30年には日本のアウトドア関連市場は1兆円規模にまで成長できる」と見通す。矢野経済研究所の調べによると、19年は過去最高の約5170億円を記録した。20年はコロナ禍で国内旅行者数が半減するなかでも、オートキャンプ参加人口は約3割減だった。アールプロジェクトの丹埜倫代表取締役は、「コロナ禍でキャンプ事業はむしろ伸びている。屋外という非日常的な空間で過ごすことの価値が再認識された」とアウトドアの持つ力を強調する。
西武グループは全国に6300ヘクタールもの遊休山林を保有し、西武造園は81カ所479施設の公園を管理運営している。本格的にアウトドアを経験したことのない層を対象に、入り口として公園でのバーベキューなど自然体験を提供する。関心が高まった人々を私有地で展開するキャンプ場への送客につなげ、本格的なアウトドア体験をしてもらうことで市場の拡大を図る。「キャンプ場では、サステイナブルでテクノロジーを積極的に活用した運営を行う」(丹埜代表)
今年度から公園での連携事業を開始し、早ければ22年度にキャンプ場第1号を開業する予定。軽井沢や箱根が候補に挙がっている。
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