キャンプ人口23%増、市場に定着 秋・冬も人気に 施設運営へ異業種の参入拡大

2022.08.01 00:00

 日本オートキャンプ協会によると、21年に1泊以上のオートキャンプに参加した人は前年のマイナス成長から増加に転じ、23%増の750万人と大きく回復した。過去最高を記録した19年の860万人には及ばないが、シーズンの幕開けとなるゴールデンウイークにキャンプ場のほぼ9割が営業を再開し、需要を取り込んだ。密な環境になりにくいレジャー特性がコロナ下でさらに人気を高めたが、協会は「もはやブームというような一過性の過熱現象ではない」と市場への定着を指摘している。

 たき火が注目を集めるなか、秋・冬シーズンの人気が高まったことや平日利用の増加も後押しした。オートキャンプ場利用者へのアンケート(回収1747件)によると、年間のキャンプ回数は4.9回(20年4.6回)、泊数は6.2泊(同6.1泊)と上昇傾向にある。客層は依然として子供連れのファミリーが中心だが、注目のソロキャンプも引き続き伸びている。19年は9.4%だったが、20年に11.1%、21年は13.1%へと右肩上がりで増加し、平日利用の増加にもつながった。キャンプ歴1年のビギナーも高い割合を保っている。

 オートキャンプ場の平均稼働率は過去最高を記録した。20年には16.3%に下がっていたが、21年は19年の17.5%を超えて20.4%に達した。

 参加人口の増加に合わせて新しいビジネスとしても注目され、異業種からのキャンプ場事業への参入が相次いだ。協会によれば、全国のオートキャンプ施設数は4月現在で1373カ所(グランピングのみの施設除く)と前年より64カ所増えた。道具のレンタル専門会社など新たなサービスも登場している。テントやシュラフなどキャンプ用品の推定市場規模は11.4%増の998億円と過去最高記録を更新した。

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