20年度の旅行業者取扱額78%減 上位企業に変動、コロナの影響色濃く
2021.06.07 00:00
主要旅行業者46社の20年度(20年4月~ 21年3月)の総取扱額は前年度比78.4%減の9997億3378万円と大幅減となり、1兆円を下回った。新型コロナウイルス感染拡大による渡航制限の影響を受け、海外旅行や外国人旅行がほぼ消滅したことが響いた。
総取扱額の約95%を占めた国内旅行はGoToトラベルキャンペーンの一時的効果があったものの、年間を通じて外出自粛の影響を色濃く受け、63.1%減の9481億3871万円となった。海外旅行は97.7%減の424億9592万円、外国人旅行は96.0%減の90億9914万円と例年にない落ち込みを記録した。
国内旅行を四半期ごとに見ると、GoToトラベルの対象に東京発着が加わって全国展開に至った第3四半期(33.3%減となり、9月までと比べ落ち込みが改善された。単月で10月は38.7%減、さらに11月は25.8%減まで持ち直している。ただし、12月は感染の再拡大によるGoToトラベル停止で回復基調から一転。11月に比べ9.1ポイント悪化し、38.0%減となった。
募集型企画旅行については、海外旅行が前 年 度の3868億2620万 円から7326万円に急減。43億円の取り扱いがあった外国人旅行はわずか403万円だった。国内旅行はかろうじて65.8%減の3039億8635万円にとどまった。
企業別上位は、JTB、KNT-CTホールディングス、日本旅行、阪急交通社、ジャルパックの順。前年は調査対象から外れていたものの実績ベースで2位だったエイチ・アイ・エス(HIS)は、主力の海外旅行への打撃が大きく94.2%減となり、8位に転落した。一方、10位から7位に浮上したのがジェイアール東海ツアーズ。上位10社中で減少幅が63.4%と最小だった。
【あわせて読みたい】旅行業者取扱額、19年度
カテゴリ#観光・旅行業経営#新着記事
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