酒蔵ツーリズム、アイデア募り促進 国税庁予算化で観光事業者との連携促す
2021.02.22 00:00

国税庁は酒類事業者や観光事業者、交通機関、地方自治体などが連携した酒蔵ツーリズムを推進する。21年度予算の酒類業振興事業の中に新規事業として日本産酒類海外展開支援(ブランド化・酒蔵ツーリズム)を盛り込んだ。予算額は7億円。これを原資に経費の一部を補助することでアイデアを募り、訪日旅行を通じた海外需要の拡大や輸出促進につなげる。
酒類事業者と観光事業者などで構成するグループの取り組みを支援する。たとえば、地域での酒蔵ツーリズムの推進や他の観光資源と組み合わせた商品開発などを想定しており、地域連携の機運醸成や滞在時間の延長による消費拡大を見込む。3月11日までアイデアの申請を受け付けており、通訳や調査などにかかる経費を1件当たり50%(200万~1000万円)補助する。
酒蔵ツーリズムは13年に観光庁が推進協議会を設立し、推進の動きを本格化した。16年には自治体や旅行会社などが参画する日本酒蔵ツーリズム推進協議会が設立され、その後3年間にわたって観光庁のテーマ別観光による地方誘客事業の1つに採択された。さらに17年には、訪日外国人旅行者が購入する酒類にかかる酒税を免除する制度を導入するなど、官民そろって推進を図ってきた。
ただ、課題もある。酒蔵ツーリズムはその土地ならではの体験を提供する機会となるが、仕掛けの不足や、地域のさまざまな産業に持続的に収益をもたらすポテンシャルを十分に生かし切れていないためだ。
国税庁は、酒蔵ツーリズムが海外での日本産酒類の認知度向上に重要なだけでなく、訪日旅行での体験などを通じて輸出など販路拡大が見込めると期待を示している。
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