環境配慮で最先端走るKLMオランダ航空
2020.01.27 00:00
環境問題への取り組みで先端を行くのがKLMオランダ航空(KL)だ。90年代にいち早く着手し、ISO14001を航空会社として初めて取得。創業100周年を迎えた昨年は、次の100年に向けて「Fly Responsibly(責任ある航行)」を提唱し、航空産業の持続的な発展に向けて広く協力を求める意見広告動画が話題を呼んだ。
同社が打ち出したのは、競合他社へのカーボンオフセットプログラムなどのノウハウの無償提供をはじめ、30年までに航空機が排出する二酸化炭素の15%削減、バイオ燃料の導入拡大、さらには電気航空機の開発だ。なかでも目を引くのが近距離移動での鉄道の利用促進で、3月末から週5便で運航しているアムステルダム/ブリュッセル線を1便減便する。
同社によると、6~7路線程度ある500km以下の近距離路線は順次、運航規模を見直す予定という。また、スキポール空港の地下で直結する高速鉄道タリスと連携し、航空券と同様にチケットを販売するほか、手荷物を鉄道の最終目的地まで運ぶことも計画している。
スキポールで新たなラウンジ体験
その一方で、快適性の追求も忘れない。スキポール空港内に昨年11月末、「非シェンゲンエリア クラウンラウンジ」を新装オープンした。従来にないラウンジ体験の提供を目指し、6800㎡の空間に用途に合わせた5つのエリアを配し、従来の2倍の約1000席に拡大した。
エリアはオランダの風景に見立てたのが特徴だ。たとえば、活気あふれる街をイメージした「シティ」では、その場で調理される出来立ての料理やハイネケンバーを楽しめる。平地しかないオランダで山に見立てた斬新な設計が「ダッチマウンテン」。さまざまなワーキングスタイルに応じた機能を提供し、テレビルームから特別なイベントを開催できるDJスタンドまで、ラウンジの利用法や多様な過ごし方を提案する。2階の特別エリア「スカイ」は、ミシュラン星付きレストランRIJKSのシェフが監修した有料レストラン「Blue by KLM」が最大の目玉だ。
エンターテインメント性で名高いスキポールに新たな名所が誕生したといえそうだ。
カテゴリ#海外旅行#新着記事
-
?>
-
JTBのNDC利用、狙いは価格訴求力 「料金メリット大きい」 シンガポールから拡大へ
?>
-
シンガポール政府観光局が開局60周年 観光の目玉続々オープンで誘致に拍車
?>
-
米首都ワシントン、日本人渡航者増へ意欲 ミッション来日で旅行業界に訴求
?>
-
旅費高騰の修学旅行、方面や時期見直し意向が顕著 泊数減も検討課題
?>
-
デジタルIDで完結の旅「現実に移行」 IATA、成田/香港線で実証に成功
?>
-
ドイツ観光局、25年の日本市場の回復8割と予測 円高が前提
?>
-
先住民族観光、経済効果670億ドル 背景に本物志向 伝統文化・言語の保全に貢献
?>
-
ピーチ、弾丸運賃で海外旅行後押し 台北に滞在25時間など
キーワード#環境保護#新着記事
週刊トラベルジャーナル最新号
アクセスランキング
Ranking
-
城崎温泉街をWHILLで移動 高齢化に対応 でこぼこ道も観光しやすく
-
COP初、観光業の気候対策宣言で歴史的節目 課題は行動 日本の出遅れ感指摘する声も
-
JTBの中間期、増収減益 非旅行事業の減少響く
-
交通空白地解消へ官民連携基盤 自治体・交通事業者と支援企業をマッチング
-
リゾートトラストと三菱商事、医療観光で合弁事業を検討
-
廃校へ行こう! 地域の思いが詰まった空間へ
-
新千歳も外国人入国者プラスに 主要空港の8月実績 韓国けん引
-
AI浸透で観光産業に3つの変革 企業関係管理でパーソナル化 流通は直取引に
-
沖縄県の宿泊税、都道府県で初の定率制に 26年度から2%で導入へ
-
福島・浪江で町の未来考える謎解き企画 異彩作家と連携