経済対策で文化財公開や離島観光、ハイクラスホテル新設推進も
2019.12.23 00:00
政府は12月、訪日外国人6000万人時代を見据えた基盤整備などを盛り込んだ総合経済対策をまとめた。東京オリンピック・パラリンピックを契機とした訪日プロモーションの強化などが軸。
これを受け、補正予算に非公開重要文化財の公開やアイヌ文化の復興といった具体策を盛り込んだ。財政投融資計画では、日本政策投資銀行を通じてハイクラスホテルの設置を進める。
訪日プロモーションに50億円を投じ、非公開重要文化財の公開といった特別プログラムを関係省庁などから集め、海外に向けてPRする。アイヌ民族の文化復興・創造では、4月に北海道で開業する民族共生象徴空間(ウポポイ)の充実に38億円を充て、夜間プログラムの造成や集中的なプロモーションを展開する。
このほか、文化財の防火・防災対策として58億円を割き、10月に火災で焼失した首里城の復元に向けたがれきの撤去作業や国営公園の防火対策強化に別途15億円を充当する。受け入れ体制の整備に向けては、CIQ体制の強化に49億円、国際クルーズ拠点の整備に25億円を投じる。
地方創生関連では、特定有人国境離島における滞在型観光の促進に3億円を盛り込んだ。特に韓国市場の低迷で打撃を受けた長崎県対馬などで、国内旅行者の誘致を目的とした体験コンテンツの造成などを後押しする。
ハイクラスホテルの推進は全国で50カ所程度の新設が目安だが、ホテルの定義や目標期間などは設けていない。観光庁によると、「財投の活用に限らず、個別の案件に応じて支援していく」(観光産業課)との考えだ。消費額引き上げのための有力な施策の1つと見ており、主に地方での新設を目指すという。
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