全世界の観光消費額、18年1.7兆ドルでサービス輸出の3割に
2019.07.22 17:36

18年の全世界の国際観光による消費額は前年を4%上回る1.7兆ドル(約187.7兆円)に達した。UNWTO(世界観光機関)によると、伸び率で商品輸出の3%を上回り、サービス輸出額の29%を占めた。国際旅行者の世界的な増加が観光を一大産業に押し上げ、外貨獲得の源泉となる輸出産業としての地位が向上している。
消費額には、目的地への訪問者支出を示す国際観光収入の1兆4480億ドルのほか、国際旅客輸送サービスの2650億ドルが含まれる。観光収入は為替レートの変動とインフレ調整を加味すると実質4%増で、前年から約1000億ドル増加した。18年の国際旅行者数の伸び(6%増)とほぼ比例している。
UNWTOのズラブ・ポロリカシュヴィリ事務局長は、「国際観光からもたらされる収益は、多くの国で貿易赤字を減らしながら、雇用や起業家精神、地域経済にとってより良い状況につながる」などと強調。「量を増やすのではなく、価値を高める必要がある」との考えも示した。
地域別に見ると、最も観光収入が伸びたのはアジア太平洋で7%増。ヨーロッパが5%増と続き、中東が3%増、アフリカは1%の微増だった。これに対し、成長が見られなかったのが米大陸で横ばいにとどまった。
送り出し国別に見た海外旅行支出額では、中国が2773億ドルとトップで、2位の米国に2倍近くの大差をつけた。ただし、伸び率は5.2%増となり、上位10カ国中トップのロシア(11.2%増)やフランス(10.5%増)、オーストラリア(9.7%増)に及ばなかった。米国も6.8%増だった。アジアでは唯一、韓国が320億ドルで9位にランクインしたが、0.9%増と伸び悩みがみられた。
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