21年、水深100mの世界でウエディングや企業イベントを実現
2019.06.24 14:35
スタートアップ企業のオーシャンスパイラルは米潜水艇メーカーのトライトンや JTB、ANAセールスなどと提携し、21年から海中旅行サービスの提供を目指す。球体の潜水装置に特別な装備なしで乗り込み、海中遊覧を楽しめる。海中レストランやホテルなどの開発が進むなか、新たな海中ビジネスが実現しそうだ。
潜水装置は直径約3mの透明なアクリルででき、360度遮るものがない。最大定員は5人。制御システムや連続96時間分の酸素供給を維持する装置を備える。最大50人が乗船可能な母船からワイヤーで吊り下げ、母船と一緒に海中を遊覧させる仕組み。船上から水深100mまでの潜水が可能となり、潜水過程で異なる海の生物との遭遇や沈没船などが観察できる海中旅行を提供する。宿泊設備はないが、有事の際には4日間の生存を可能とし、安全への取り組みを強化した。
米澤徹哉代表取締役は「海の中を日常の一部にしたい」と話す。まずは世界各地の人気ダイビングスポットへの導入を検討している。ウエディングや企業イベントなどをはじめ、研究機関の海中有人調査での利用を視野に入れる。利用料金は、5人で30分潜水した場合、1人当たり約3万5000円を予定。JTBやANAセールスが商品開発やプロモーション、集客を手掛ける。
同社は、海洋ビジネスの市場規模が現在の約20兆円から30年に40兆円まで拡大すると見込む。9月に初号機の製造を開始し、20年中の完成を目指す。運用テスト後、順次導入機を増やし、25年中に100機を導入する計画だ。クルーズ会社などとリース契約を結ぶことで、導入先の拡大を進めたい意向。すでにマレーシアやタヒチなどが候補地として挙がっている。
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