文化・観光施設が相次ぎ値上げ 、訪日客急増など背景
2019.04.01 17:11

減少させないよう料金体系を工夫する例もある
文化財や観光施設で入場料金の値上げが相次いでいる。
新宿御苑は1994年以来の値上げに踏み切り、二条城も実質値上げとなる料金システムを導入した。日本は欧州などと比べて料金の安さが指摘されるが、訪日客の急増も追い風となり、ここにきて値上げに踏み切る施設が増えてきた形だ。
環境省は3月19日、新宿御苑の入園料を200円から500円に引き上げた。13年度120万人だった利用者は、17年度には250万人に急増。外国人だけでなく、日本人の需要も増しており、芝生保全など維持管理費がかさんでいた。
魅力向上策にも投資し、閉園時間を現行の16時30分から3~9月は18〜19時に延長する。多言語対応やライトアップイベントなども実施する。
京都市が管理・運営する世界遺産・二条城は、入城料600円でエリアの制限なく観覧できたが、4月からは国宝・二の丸御殿の観覧に400円を追加徴収する。
外国人客をはじめとする来場者がここ5年間で大幅に増えていることが理由で、トイレ清掃の頻度を増やしたり、施設改修費に充てる。並行して、キャッシュレス決済を導入し、混雑の解消も目指す。文化財だけでなく、観光施設や体験コンテンツにも値上げの動きは広がっている。
島根県松江市観光振興公社は4月、松江城のお堀を遊覧船で巡る1日乗船券を1230円から1500円に値上げする。訪日外国人人気の高い大阪市の梅田スカイビル空中庭園展望台では昨年7月のリニューアルオープンに合わせ、1000円から1500円に改定している。
観光庁は、「欧州は1施設の入場料が5000~6000円のケースも多いが、日本は相対的に安い」(観光資源課)と言及。需要に応じた適正な価格設定の必要性を指摘している。
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