「このままでは観光孤立国に」 観光関連団体、水際対策緩和要望で危機感あらわ
2022.05.23 00:00
日本観光振興協会・JATA(日本旅行業協会)など観光関連9団体と航空・JR の3企業・グループは連名で、国際往来の一刻も早い再開へ早期に水際対策を緩和するよう国土交通省に要望した。内容は観光目的の入国の早期再開、入国者数制限の撤廃、外務省感染症危険情報レベルの見直しの3点。規制の緩和が世界的に進められるなか、このままの厳しい対策が続けば、日本の国際競争力低下は否めないと指摘している。
訪日外国人旅行消費額は19年に約4.8兆円と半導体等電子部品の輸出額を大きく上回り、日本経済の柱となっていたが、完全に消滅した状況。一方、欧米やアジア諸国は水際対策の大幅緩和にかじを切っており、日本はすでに始まっている誘致競争に負けるどころか、「世界に必要とされない観光孤立国になりかねない」と強い危機感を示した。
対策として、まずは速やかに、感染状況が落ち着いている国からの小規模管理型の訪日ツアー開始を挙げた。これについては、観光庁が5月中に実証実験を行うこととなったが、入国時の課題は少なくない。入国者数の上限は1日1万人に引き上げられたものの、訪日客のみで平均8.7万人が入国していたコロナ禍前には程遠い。有効なワクチンの3回接種を証明でき、海外の出発前検査で陰性ならば日本到着時の検査を不要とするなどで、制限を撤廃するよう要望した。出入国は5空港に限られているが、日本各地の空港で可能となることも求めた。
感染症危険情報の見直しでは、4月に106カ国を対象にレベル3(渡航中止勧告)から2(不要不急の渡航自粛)に引き下げられたが、心理的ブレーキがかかるため、レベル1(十分注意)へ早期引き下げを要望した。
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