おすそわけツーリズムを実証実験 収穫体験通じて食品ロス削減へ

2021.10.04 00:00

 鹿児島県曽於郡大崎町で11月6~7日、「おすそわけツーリズム」の実証実験が行われる。採れすぎてしまったり、規格外などで出荷されずに廃棄される農産物の食品ロス削減策と地域内での消費ニーズを探る。県内在住の親子などに収穫体験を楽しんでもらうマイクロツーリズムの要素と、農産物を購入する消費活動を組み合わせる。生産現場でどのような食品ロスが発生しているかを知る機会をつくり、域内循環モデルを検証・構築する。

 主催は、フードロス削減アプリ「TABETE(タベテ)」の運営など食品ロス削減事業を展開するコークッキング。これに大崎町と大崎町SDGs 推進協議会が協力して実施する。TABETEでは、食べ物の作りすぎや予約の急なキャンセル等で困っている近所の店を検索できる。お得な価格でクレジットカード決済し、指定の時刻に店に取りに行くという食品ロスのレスキューシステム。購入者の登録料・使用料は不要。

 このアプリを使って大崎町内の農作物生産者が出品する。プログラムへの参加希望者は開催当日に予約し、農作物の代金を事前決済する。指定の時刻に軍手持参、汚れてもいい服装で現地を訪れ、1時間ほどの収穫体験と生産者との交流を楽しみ、新鮮な野菜等を受け取る仕組み。参加費用は1人1000円前後を想定している。

 大崎町は、畜産や農業など1次産業を主産業とする人口約1万3000人の町。徹底した資源ごみの分別・回収で広く知られ、リサイクル率日本一を13年間にわたり達成、18年にはジャパンSDGsアワードを自治体で唯一受賞した。近年、持続可能な町づくりに取り組む自治体は増えており、実証実験では、他地域でのおすそわけによる循環モデルの可能性も探る。

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