国立工芸館オープン、金沢の新たな旅の拠点に

2020.11.23 00:00

日本の伝統文化や工芸の発展に取り組んできた中田英寿氏が名誉館長に就任

 東京国立近代美術館工芸館が10月25日、石川県金沢市に移転し、国立工芸館として開館した。国の地方創生施策である政府関係機関の地方移転の一環。日本海側で初の国立美術館で、名誉館長には元サッカー日本代表の中田英寿氏が就任した。

 1977年に東京の北の丸公園に開館した同館は、日本の近現代の工芸・デザイン作品を専門とする国内唯一の国立美術館。今回、工芸分野の秀作を網羅したコレクション約3800点のうち約1900点を金沢に移転した。

 兼六園周辺文化の森に建ち、明治期に建てられた2つの旧陸軍の施設を移築したクラシックな洋風建築の外観が目を引く。全3室の展示施設は最新デジタル技術も搭載し、季節・テーマごとに展示を入れ替える。

 周辺には兼六園や金沢21世紀美術館、武家屋敷など歴史的建造物や文化施設が集中しており、歴史と工芸のまち・金沢の魅力を楽しめる新たな旅の拠点としても期待が高まっている。

関連キーワード