修学旅行めぐり自治体が誘致策、中止・延期回避へ補助金
2020.10.26 00:00
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、修学旅行の中止や延期の検討を迫られる学校は多い。文部科学省は10月2日、都道府県教育委員会などに対し、すでに中止した学校に実施の再検討を呼び掛けている。GoToトラベル事業の支援対象になるなど、政府が実施を後押しする状況のなか、自治体が独自の誘致策を打ち出す動きも広がっている。
目立つのは、行き先を県内に変更した場合に経費の一部を補助するもの。県内の感染状況のみで実施可否を判断できる利点がある。おおむね来年2~3月までの実施が対象で、鳥取県は県立・私立高校・特別支援校、中高一貫校に対し、日帰りなら1人当たり3000円、宿泊を伴う場合は1人1泊5000円を上限に2泊まで補助する。福井県は宿泊に限り1人1万5000円まで補助する。
県外からの誘致も狙うのは福岡県。新たに同県を旅程に組み込む旅行会社に対し、2カ所以上の周遊や宿泊などを条件にバス1台1日当たり5万円を支援額として拠出する。県内校にも補助制度を設け、宿泊の場合は5万円、日帰りでも3万円とした。現状では県内校からの需要が高いという。宮崎県は、県内校を対象に宿泊を条件にバス1台1日当たり5万円を支援するが、近く県外校も対象に含める。
一方、遠方を訪れる動きも出てきた。東京都や大阪府の中学校や高校が多く訪れる沖縄県には10月、都内の高校が修学旅行で訪れた。沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)によると、12月までの実施計画は例年を若干下回る水準で推移しているが、1~3月に関しては、今年4~6月に当初予定していた学校の延期の影響を受け、例年を上回る月もあるという。
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