若者の車離れ、沖縄の課題に 修学旅行が再訪につながらず 創意工夫必要
2022.03.07 00:00
これからの旅行市場を牽引する若者世代を中心とした沖縄観光への意向調査で、車離れが沖縄に行きたいという意向の低下を招いていることがわかった。沖縄振興開発金融公庫が公益財団法人日本交通公社に委託して実施した調査結果から浮かび上がった。修学旅行で訪れた経験が観光のリピーター育成にうまくつながっていない課題も見えてきた。
調査は21年10月、全国の18~54歳の男女1800人に実施した。それによると、沖縄は遠く移動時間が長いことに加えて、県内の交通が不便という印象が観光旅行に行かないネガティブ要因の1つとなっている。運転免許がありレンタカーの運転にも抵抗がない人では59.8%が沖縄への来訪意向を示したのに対し、運転免許がない人では35.7%にとどまった。
なかでも、運転免許がない人はZ世代(18~25歳)では31.6%に上った。40歳以上は5.8%だったことなどから、車離れが旅行牽引世代の沖縄旅行意向の低下を招いていると指摘。対策として、車に依存せずに移動できる交通体系の構築や、車を利用しない観光客向けのアクセス方法の発信などを挙げた。
また、沖縄は修学旅行先としての人気も高いが、沖縄訪問の経験が修学旅行のみの場合は再訪意向が低い傾向にあることもわかった。Z 世代で46.3%、ミレニアル世代(26~39歳)で66.2%が当面の旅行意向はないと回答した。
このため、修学旅行時には、地域に関する主体的な探求やより高密な交流を通じて沖縄を深く知り興味・関心を高めてリピーターになってもらえるよう、内容の創意工夫が必要と指摘。マリンレジャー経験が全般的に低いのも旅行牽引世代の特徴で、海に接する機会の設定も助言している。
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