国内宿泊旅行、20代男性が先行 秋以降50歳以上牽引も女性は慎重

2020.07.13 00:00

 リクルートライフスタイルのじゃらんリサーチセンターが実施した新型コロナウイルス感染症の旅行市場への影響に関する調査で、20代男性は夏休み前の早い時期に旅行を希望する割合が高いことがわかった。野外活動と宿にこもる派で需要は2極化する。一方、主要市場である50歳以上の回復が見込めるのは秋以降で、宿のおこもり需要が減る時期と重なる。森戸香奈子研究員は、「柔軟にターゲット戦略を考え対応することが求められる」と指摘する。

  調査は5月15~ 16日、マーケティングリサーチ企業のマクロミルの会員モニター 1652人に実施した。夏休み前に旅行を希望する20代男性は17.1%で、全体平均を10.9ポイント上回った。夏休み中も20.0%となり、全セグメント中のトップ。また、秋から年末に旅行を希望するのは、60歳以上の男性の36.3%を筆頭に30代男性(33.5%)、50代女性(32.7%)と続く。女性は男性に比べて感染状況による態度保留者が多い傾向が見られた。

 希望する旅行スタイルを見ると、時期を問わず需要が高いのは「自家用車で移動する旅行」。夏休み前は56.2%と最も高く、秋から年末には53.7%。21年以降も59.4%が希望し、高い傾向が当面続く見通し。一方、夏休み前に22.5%と高い傾向にある「宿泊施設にとどまりあまり出歩かない旅行」は、秋から年末は12.2%、21年以降は12.6%と減少に向かう。

 旅行目的については、夏休み前は、都市散策や自然鑑賞など屋外型旅行が他の時期と比べて人気が高い。夏休みには家族旅行の需要の高まりを受け、テーマパークが増加。秋以降は温泉や露天風呂、名所や旧跡の観光が増え、21年以降には買い物やアウトレットが増加する見通しだ。