新潟県、都内で新アンテナショップ開業へ 単なる物販・飲食の提供から脱却
2023.03.13 00:00
地方自治体が首都圏で展開するアンテナショップが立地や機能の見直しを迫られるなか、新潟県は新たな情報発信拠点を東京・銀座5丁目に開設する。現在の「表参道・新潟館ネスパス」は建物の老朽化により今年12月の閉館が決まっており、これに代わる拠点として機能することになる。
県は設置の是非を含めたあり方を議論してきた検討会議の意見を踏まえ、新たな拠点施設の設置を決断した。検討会議では、情報発信拠点は今後も必要だとしたが、「従来型のアンテナショップは役割を終えている」と指摘。新施設は単なる物販・飲食の提供ではなく、県産品のストーリー性や体験を重視した販売手法を想定している。また、体験・交流により県と来訪者双方のコミュニケーションを意識したイベントスペースの運営や、移住相談窓口としての機能にも力を入れる。
一方で、観光センター機能については主にデジタルを活用した観光情報発信にシフトし、リアルな拠点でなくてはできない内容だけに絞り込む。
銀座の施設は地上9階・地下1階の新築ビルの5フロア計163.44坪を使用する。県によれば、フロア面積は表参道よりやや小さくなる。しかし、課題の1つだったコストは大幅に縮小。表参道の物件は1棟を借り上げているため建物の維持管理費の負担もあったが、テナントとして入居する新施設では年間千万円単位で費用を削減できる。
現在、飲食施設と物販施設の各運営・管理事業者を公募中で、8月までに決定し、来年のゴールデンウイークまでに開業する計画だ。
都内のアンテナショップは20年度に過去最高の81店舗を数えたが、以降は2年連続で減少。独立型店舗の減少が目立っている。
【あわせて読みたい】都内のアンテナショップ、2年連続減少 目立つ独立店舗の閉館 売り上げは回復 アンテナショップのこれから どこへ向かう自治体の首都圏機能 2022年11月14日号>アンテナショップのこれから どこへ向かう自治体の首都圏機能
カテゴリ#地域の観光#新着記事
週刊トラベルジャーナル最新号
アクセスランキング
Ranking
-
水上温泉、3年目の廃墟再生マルシェに4400人 旧一葉亭の施設生かし
-
『ポトスライムの舟』 夢を買う側に思いをはせて
-
日米観光交流年で旅行企画コンテスト、父と息子の宇宙旅が大賞 シンポジウムで需要回復議論も
-
「観光が怪物にならないために」 JARTAが警鐘 産業に自覚と責任促す
-
韓国パラダイスシティ、日本からのMICE誘致に注力 初のイベントで訴求
-
トラベルリテラシー 旅する力を育てよう
-
訪日消費の詳細データ開放 観光庁、企業やDMOの戦略策定に
-
8月の免税売上高、伸び鈍化 購買客数も成長率40%台に
-
さとゆめ・HIS、新事業が本格始動 まず4自治体と協定 人口2000人規模の村など
-
地銀の相互観光誘客、連携が拡大 3行で瀬戸内ツアー 地場産業に光