旅行業の倒産、上期は9件 コロナ長期化で息切れも 宿泊業は46件
2022.10.17 00:00
東京商工リサーチ(TSR)によると、22年度上期(4~9月)の旅行業の倒産は9件で負債総額は11億6100万円だった。前年同期に比べ7件少なく、過去20年間で19年と並び、20年に次いで2番目に少ない低水準。政府系金融機関等による実質無利子・無担保融資や休業支援金、雇用調整助成金などの給付が倒産の増加を抑制したとみている。負債総額は51.1%減で、2年連続で前年同期に比べ減少した。
9件すべてが新型コロナウイルス関連の倒産だった。コロナ禍の長期化により、資金調達が困難な企業や業績の回復に時間を要する企業で息切れ倒産も発生した。
ヨーロッパ旅行を主力としていた東京都港区のアイ・テイ・エスが負債総額6億2500万円と最大だった。コロナ禍により、それまで50億円台で推移していた売上高が20年7月期には約22億8500万円まで減少。長引く渡航制限などで自力での事業継続を断念し、20年12月に旅行事業を他社に譲渡、その後解散した。
宿泊業の上期の倒産は、前年同期より6件多い46件となった。2年ぶりの増加。負債総額は89.1%減の125億3900万円で、前年同期に発生した負債1000億円規模の大型倒産の反動から3年ぶりの減少となった。一方で、負債1億円以上5億円未満が13件増の27件となるなど、中堅規模の倒産が増えた。コロナ関連は全体の7割。
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