テレビ通販企業、旅行に熱い視線 ショップチャンネルも体験強化 阪急交通社と提携
2022.03.21 00:00
ショッピング専門番組のジュピターショップチャンネルは阪急交通社と組み、クルーズ旅行を初めて販売する。MSC ベリッシマの日本一周・韓国クルーズ10日間(8月16日出発)で、3月25日10~11時に番組で紹介し、予約を受け付ける。昨年から専門部署を設けて“コト”の販売に本腰を入れるなか、代表格の旅行商品を強化する。テレビ通販会社では、ジャパネットグループが17年に旅行業に進出し、テレビ東京ダイレクトがクラブツーリズムと共同で旅番組を展開するなど、旅行への取り組みが広がっている。
テレビ通販市場は11年の約5000億円から20年に約5800億円と緩やかに拡大している。ただ小売市場全体に占める割合は0.4%にすぎず、コト商品を事業拡大のてことしたい考え。
ケーブルテレビなどで全国3017万世帯が視聴可能なショップチャンネルはライブ放送が主体で、1時間に1商品をじっくり紹介するスタイル。小林大輔部長は「潜在ニーズを顕在化させる訴求力があり、ストーリー性が高い旅行と親和性がある」とみる。2月には第3種旅行業登録を取得した。今後、観劇やペット関連に広げ、コト関連全体で5年後に100億円規模を目指す。
日本一周クルーズの販売目標は1000室。韓国に立ち寄るため、日韓の水際措置の緩和が前提となる。日本では国際クルーズのガイドラインがまだ策定されておらず、ツアー中止のリスクも伴うが、ショップチャンネル創業25周年の最後を飾る特別商品として魅力的なものを販売したいと考えた。
阪急交通社は「アジアに配船できない外国船社が多いなか、MSCクルーズは日本寄港に積極的」(東日本営業本部・平藤実課長)とし、実現に期待を寄せている。
【あわせて読みたい】クラツー、テレ東と地域活性化事業 番組での紹介から特産品開発まで 日本国際クルーズ協議会が発足 外国船や旅行会社加盟、事業再開へ一丸 訪日クルーズ途絶え、20年12.6万人 日本船は秋以降回復 クルーズの未来を描く 回復の道筋と変化への備え
カテゴリ#観光・旅行業経営#新着記事
キーワード#クルーズ#新着記事
週刊トラベルジャーナル最新号
アクセスランキング
Ranking
-
新上五島町に観光案内ロボット あえて人が遠隔操作 雇用機会にも
-
修学旅行脱ピンチの糸口 無償化が投じる一石
-
8月の主要旅行業者取扱額、3分野ともに19年比7割 業務渡航が先行
-
訪日キーパーソンが語る未来に続く本物の価値
-
シンガポール政府観光局が開局60周年 観光の目玉続々オープンで誘致に拍車
-
アジアの中高所得層、旅行を優先 収入の23%を支出へ 日本は人気上位
-
DXで稼げる地域へ15件採択 観光庁、予約サイト構築やCRM支援
-
サステナブル意識と行動に乖離 トリップ・ドットコム調査 旅行会社は積極的な情報提供を
-
『パーティーが終わって、中年が始まる』 氷河期世代の疲れた今に
-
旅費高騰の修学旅行、方面や時期見直し意向が顕著 泊数減も検討課題