クラツー、テレ東と地域活性化事業 番組での紹介から特産品開発まで

2022.01.03 00:00

連携協定を結んだクラツーの酒井社長(中央左)とテレビ東京ダイレクトの遠藤社長(同右)

 クラブツーリズムは旅番組や旅行通販事業を共同で展開するテレビ東京ダイレクトとの連携を広げ、地域活性化事業に取り組む。BSテレ東の地域情報番組「都会を出て暮らそうよBEYOND TOKYO」でのPR や連動したツアー、特産品の開発を軸に、地域の誘客やブランディングを支援する。番組は自治体の首長をゲストに招きストーリー性のある情報発信が特徴で、今後、長期滞在などのテーマを設け、地域振興を推進する。食品通販番組「虎ノ門市場」とも連携する。

 両社は18年に旅番組「ハーフタイムツアーズ」を開始して以降、テレビを介した旅行通販を軌道に乗せ、テレ東トラベルの名称でさまざまな番組の公式ツアーを開発してきた。クラツーは昨年4月に地域共創事業部を新設して誘客支援に乗り出しており、テレ東の放送コンテンツや商品開発力などを融合することで他社との差別化を図る。

 クラツーの酒井博代表取締役社長は、「旅行会社の商品はいま、消費者がウェブで素材を組み合わせるダイナミックパッケージに偏りつつある。地域の悩みは観光資源をパッケージツアーに仕立ててくれる旅行会社がなく、市場にリーチできないこと。これを解決できるのがわれわれ」と意欲を示す。

 通販を生業とするテレビ東京ダイレクトにとっては、クラツーの顧客データは貴重な資源となる。遠藤孝一代表取締役社長は、「高めの価格設定でも購入してくれる顧客層は非常に魅力的。食品通販とも相性が良い」と期待する。

 地域活性化事業はすでに群雄割拠の様相を帯びている。だが遠藤社長は、「目指すのは一点集中。特定の地域に密着して深く掘り下げられれば、まだまだ開拓の可能性はある」とみている。

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