第4の開国へ問題意識共有 ひがし北海道自然美への道DMOがシンポジウム
2022.02.07 00:00
ひがし北海道自然美への道DMO は1月28日、「第4の開国へ向けたひがし北海道観光の方向性」をテーマにシンポジウムを開催した。コロナ後に控える国際的な渡航制限の全面解除を、幕末、大戦後、観光立国宣言に続く第4の開国と位置づけ、観光客の世界的な争奪戦になるとの問題意識を地域関係者と共有する狙い。
基調講演で登壇した北海道大学大学院国際広報メディア観光学院の石黒侑介准教授はコロナによる変化として、「広告宣伝で顧客をつかむことより、社会全体の空気をどう醸成していくかが地域に求められている。旅行形態も個人で自由に動くより、デザインされ事前に心地良さを設定することが不可欠になった」ことを挙げた。
コロナ前の状況は、台湾や香港から北海道を訪れる旅行者が15年後半から減少している。これについて、「欲求の変化に気づけていなかった可能性がある」と指摘。広域周遊ルートなどで市場分散を試みるも、札幌など都市一極集中が強まっているのが実情だ。
地域が取るべき戦略として、「訪れざるを得なくなる」地域への変革も説いた。素材そのものの価値以上にどのようなストーリーで伝えるかが求められるという。そのため、観光とは直接関係しない情報源に生活者が長年接触することで形成される有機的イメージこそ重要と指摘。コロナ禍のいまはそれを蓄積させるチャンスと訴えた。
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