米CDC、ワクチン接種で旅行容認 欧州や客船会社も要件化 格差に懸念
2021.04.12 00:00
米疾病対策センター(CDC)は4月2日、新型コロナウイルスワクチンの接種を完了すれば感染の可能性が低いとして、米国内旅行で出発前後のウイルス検査を不要とする指針を示した。到着後の自己隔離も義務づけない。マスクなしでの屋内会合から要件を引き下げた格好で、観光産業では旅行需要回復への期待が高まっている。一方、ワクチン接種を旅行者受け入れの前提とする国や企業が増えており、接種の有無による格差が広がりそうだ。
ワクチンの種類に応じて1回または2回接種後、2週間経過した人を完了とみなす。ただし、接種完了後も公共交通機関を利用する際のマスク着用、2mの社会的距離、手洗い・手指消毒を推奨している。海外旅行では、相手国が求めなければ出発前検査を不要としたものの、帰国時搭乗前の陰性証明書と到着後3~5日以内の検査を求める。
旅行にワクチン接種を義務づける動きは他国でも見られ、イスラエルは証明書の保有者を対象にレストランや会議場などへのアクセスを許可。ギリシャは接種した外国人観光客に検疫隔離なしの入国を認める計画だ。企業では、ウィンドスタークルーズが4月5日、感染症対策を更新し、接種証明を乗船の要件とした。ノルウェージャンクルーズラインも同様。一方、欧州委員会(EC)はワクチン接種を含むデジタルグリーン証明書の導入を検討する傍ら、ワクチンが移動の前提条件になるものではないとし、格差を排除しようとしている。
世界観光機関(UNWTO)は各国でワクチン接種が進む状況を鑑み、国際観光客数が7月以降に回復基調に転じると予測する。ただ、ようやく医療従事者以外への接種が始まった日本は、国際観光の面でも後れを取ることになりそうだ。
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