前田薬品工業、旅行業参入で美容と健康ツアー 地域活性化にも貢献
2021.04.05 00:00

広さは東京ドーム2個分でまさに村といった風情
製薬会社の前田薬品工業は10月の地域限定旅行業登録の取得に向け、準備を進めている。工場見学など産業観光と美容や健康に特化したツアーの企画・販売を手掛ける計画。本拠地の富山市に隣接する立山町を軸に周辺地域の酒蔵や宿泊・飲食業などと連携し、国内外からの集客を目指す。上質な体験を通じて地域の魅力を発信し、旅行による地元経済の底上げを図る。
移住者獲得につなげる狙いもある。異例ともいえる製薬業界からの旅行業参入だが、前田大介代表取締役社長は「旅行の波及効果を通じて地場産業を盛り上げたい」と意欲を語る。
活動の核となるのが、同社が中心となり、立山町に20年2月に開業した美容と健康の体験型施設「ヘルジアン・ウッド」だ。前田社長の肝入り事業で、立山の麓で心身が豊かになる場所の創出を目指し、村に見立てた施設にはレストラン棟や精油工房が点在する。開業から1年で県外から約50人の企業経営者や起業家、移住を考える人々を受け入れてきた。その過程で食やアクティビティーに関する相談を受け、地域に案内する機会も増えたという。
今後、1棟貸しのサウナホテルも開業する計画で、地域での体験を盛り込んだオーダーメード型の旅行を検討する。体験はガイドブックに載らないディープな内容を想定し、参加者の趣味・嗜好に合わせ、酒蔵の奥の見学や職人のワークショップなどを予定している。
立山には3月に新工場も完成した。見学やセミナー・ワークショップに対応できる施設を備えており、ツアーに先立ち、8月から工場見学を開始する。
子供連れやワーケーション利用者が楽しめるプランも計画している。さらにコロナ収束後には訪日外国人の誘致も視野に入れている。
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