ニュージーランド観光局がインスタ映えを牽制、トレンド以外の場所訪問を推奨
2021.02.08 00:00
ニュージーランド政府観光局は、インフルエンサーがSNSなどに投稿する写真のスポットを訪れる旅行者を牽制するキャンペーンを始めた。ニュージーランド国内市場向けで、ソーシャルメディアのトレンド以外にも素晴らしいことがあると訴求する目的。昨今、いわゆるインスタ映えスポットは旅行先を選ぶうえでの重要な要素の1つとなっているが、混雑など観光公害を招く一因にもなっている。同キャンペーンは観光局のプロモーションの新たな動向として注目が高まりそうだ。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、「国内の新しい魅力を発見しよう」のスローガンの下で昨年5月に始動した国内キャンペーンの一環。旅行者にインスタ映えスポット以外の場所を訪れ、独自の体験や発見をSNSでシェアすることを推奨している。
ユーチューブに公開した動画では、インスタ映えスポットとして有名な南島にあるワナカ湖やラベンダー畑、ワナカ湖の西側にそびえるロイズ・ピークが登場する。“ソーシャル観察隊”に扮したコメディアンが、観光客がインフルエンサーの写真を真似て撮ることを阻止するなど、コミカルな内容となっている。
ロイズ・ピークの場合、写真撮影のために列を成す人々の様子が紹介されるなど、インスタ映えスポットとして話題を集めたことで有名だ。動画では、ソーシャル観察隊が山頂で腕を広げて写真を撮ろうとしている男性に対し、「こういう写真は前に見たよ」と語りかけ、婉曲的に撤退を促す。
同局はコロナ禍で打撃を受けている観光産業の回復に取り組んでいる。海外旅行は国境封鎖が続くなか、元ラグビー日本代表選手など日本とのつながりのある人がライブ配信を行うなど、再開に備えている。
【あわせて読みたい】「プロモーションの時代は終焉」オランダ政観が観光管理に軸足
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