宿泊税の導入続々 20年4月に福岡県・市、奈良市も準備

2019.12.02 00:00

 自治体が法定外目的税として宿泊税を導入する動きが急速に広がりをみせている。導入済みの東京都、大阪府、京都市に続き、今年4月に金沢市、11月には北海道倶知安町が新設し、20年4月から福岡県・市、北九州での導入が決まった。成長分野と目する観光の振興策の財源に充てる。このほか、奈良市が早期導入を目指し、条例案の提出に向け調整中で、宮城県は11月下旬の有識者会議で制度案を示すなど、動きが活発化している。

 福岡は県と市の双方が課税する全国初の二重課税となる。税率は福岡県が1人1泊200円、福岡市と北九州市が150円。ただし、両市に宿泊する場合、県は50円に減額する。徴収窓口は事務負担を軽減するため、市に一本化することとした。いずれも旅館、ホテル、簡易宿所のほか、民泊も課税対象。市は宿泊料金に応じて税率を2段階で設定し、2万円以上で450円を徴収する。

 福岡県は年間で約15億円、市は約18.2億円の税収を見込む。県は新たな観光エリアの創出といった観光振興策や宿泊施設の改修支援などに投じる。市は九州のゲートウェイ都市としての機能強化や大型MICEなど集客拡大への対応を使途に盛り込んだ。

 11月に導入した倶知安町は宿泊料金の2%と定率制にした。年間約3.8億円の税収を見込み、観光客の増加に伴う課題の解決に向け、域内交通網の整備、ニセコ・羊蹄山の環境保全、観光インフラの整備などを進める。

 奈良市は宿泊税検討懇話会を設置し、7月から議論を重ねてきた。宿泊者は来訪者の10分の1にとどまるため、不公平感や宿泊需要の減退リスクが指摘されていたが、合理性があると判断。宿泊客のメリットとなる施策を中心に使途を今後具体化する。

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