スマートシティで観光地づくり 仙北市や宇都宮市 国交省が支援
2019.06.17 16:54
国土交通省がこのほど選定したスマートシティのモデル地域に観光振興を目指す地方都市が選ばれた。
それぞれの地域が抱える課題や特性を踏まえて、観光MaaS(Mobility as a Service)を軸に交通環境を整備するほか、ビッグデータや統計の詳細な分析を通して効果的な観光施策の策定につなげる狙い。
スマートシティは、人工知能(AI)などの最新技術やデータを活用して、地域全体でマネジメントの最適化が図られた持続可能な都市・地区を指す。
国交省は全国の牽引役となる先行モデルに15地域、国が重点的に支援する重点事業化促進プロジェクトに23地域を選んだ。観光のほか、交通や災害、エネルギーなどに取り組み、実証実験や調査、環境整備の費用を助成する。
滞在型観光の促進を目指すのは、秋田県仙北市。同市では観光を主要産業と位置づけるが、宿泊客は07年の77万5369人から16年には53万7189人まで減少している。スマートフォンなどの人流データを分析し、適切な施策を打ち出す。「現状ほとんどわかっていない人の流れを把握し、観光コンテンツや宿泊施設の整備などにつなげる」(地方創 生・総合戦略室)としている。
栃木県宇都宮市は大谷地区で観光MaaS導入を掲げる。電車、バス、オンデマンド型タクシーをシームレスに乗り継げるプラットフォーム構築のため、今年度から検討を開始。22年から運行する次世代型路面電車(LRT)、地区内で実証実験を行っている電動型自動運転車との連携も視野に入れる。
オーバーツーリズム対策を打ち出す地域もある。東京・豊洲地区では駅の混雑緩和、岡山県倉敷市では観光繁忙期の混雑緩和を目指し、交通データの詳細な分析などを行う。

転車の実証実験。地区内の観光地を結ぶ
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