訪日客の困り事、1位はごみ箱不足 観光庁調査 コミュニケーションも依然課題
2024.07.08 00:00
観光庁が継続的に調査している訪日客が旅行中に感じた困り事で、23年度は「ごみ箱の少なさ」が30.1%を占めて最多となった。2位は英語が通じないなど「施設等のスタッフとのコミュニケーション」(22.5%)で、同2項目は前回の19年度調査から5ポイント以上増加した。一方、「困ったことはなかった」(29.7%)は10ポイント近く減少した。
調査は訪日客がストレスなく快適に観光を満喫できる環境整備を進める一環で、現状と課題を洗い出すことが目的。23年度は昨年11月から今年2月に成田など5空港でアンケートを行い、約4000件の回答を得た。
回答者の6割以上は20~30代で、7割近くが訪日旅行のリピーターだった。困ったことの3位は「多言語表示の少なさ・分かりにくさ」(13.4%)で、これも前回調査より増加した。対照的に、フリーWi-Fiなど通信環境についての困り事は減少し、環境の整備が進んだものとみられる。
4月に羽田空港で補足調査を行い詳細を尋ねたところ、ごみ捨てで困った点は「ごみ箱が近くになかった」(91%)が大多数。困った場所は「観光スポット」と「観光スポットに向かう途中」がともに43%と回答が多かった。訪日客の増加に伴い、観光地でのごみ問題が取り沙汰されているが、困惑する様子がうかがえる。
コミュニケーションに困った時の対応策は、「ICTツール(自動翻訳システムや翻訳アプリケーションなど)を活用」(76%)が最も多かった。利用した場面は「飲食店」(53%)、「観光スポット」(24 %)、「鉄道駅・バスターミナル」(17%)が上位。利用した際のスタッフ側の対応は、64%が十分スムーズだったと回答している。
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