OTS、MKグループと資本業務提携 沖縄の2次交通体制を強化 人材育成にもメリット

2024.06.24 00:00

OTSの東良和代表取締役会長(左)とエムケイホールディングスの青木信明代表取締役社長

 沖縄ツーリスト(OTS)は沖縄での2次交通体制の強化などを目指し、エムケイホールディングスと資本業務提携する。子会社でハイヤーと観光バスによる旅客運送事業を手掛けるOTS交通の株式の約4割をエムケイホールディングスが取得する形で財務を強化し、2次交通分野をはじめインバウンド戦略の拡充などで協業する。

 OTS交通はハイヤー10台、観光バス7台を運行し、那覇空港から主に北部リゾート地へ送迎業務を行っている。しかし一般にはあまり知名度が高くないこともあり、提携で最も期待を寄せるのは、全国8拠点でMKグループが展開する空港送迎ハイヤーサービスとの連携だ。「MKの携帯アプリで那覇到着後のハイヤーも併せて簡単に予約できるようにすることなどで、特に観光系での利用促進を図りたい」(OTS交通・平良剛代表取締役社長)

 MKグループの送客力を活用して車両の稼働率を高め、業績向上と人材確保を図る。外国人や富裕層の顧客も多いため、ノウハウの蓄積や人材育成も大きなメリットと捉えている。

 一方、MKグループ側は、沖縄旅行の定番であるレンタカーに代わる新たな2次交通として、ホテルとのカーシェア提携、将来的なライドシェアへの参入などを推進。既存のレンタカー事業とすみ分け、高級EV 車によるレンタカー事業も展開する。両社グループが拠点を置く台湾市場に対し、日本国内での観光交通やホスピタリティー事業などインバウンド戦略も拡充する。

 また、OTSの旅行部門は、MKグループが本土で展開する着地型観光プログラムをパッケージ旅行として、沖縄、東京、北海道市場で販売する。着地での2次交通等にMKグループの資源を活用して相乗効果を図る。