HIS中間期、5年ぶり黒字 通期純利益70億円に上方修正
2024.06.24 00:00
エイチ・アイ・エス(HIS)の24年10月期中間期(23年11月~24年4月)連結決算は、純損益が38億7700万円の黒字に転換した。前年同期は48億900万円の赤字。主力の旅行事業とホテル事業が順調に推移し、売上高が56.6%増の1611億7300万円となり、本業のもうけを示す営業損益で57億5900万円の黒字を確保した(前年同期は33億5800万円の赤字)。中間期の黒字は5年ぶり。
営業利益は当初予想を約25億円上回った。日本発海外旅行で卒業旅行シーズンの需要獲得などが想定より良化し、海外で展開する旅行事業で欧州が好業績だった。ホテル事業では訪日客の増加に伴う客室単価の上昇で収益性が向上した。
通期業績予想を上方修正し、売上高は当初より100億円多い3600億円(前期比42.9%増)、営業利益は10億円多い110億円(同687.3 % 増)と見込む。純利益は70億円で、5期ぶりの黒字転換を予想している。
ただ喫緊の課題は日本発海外旅行の回復の遅れだ。夏の送客数を19年比80%前後と想定していたが、予約は60%程度で推移している。矢田素史代表取締役社長は「市場が戻ってきていない」といい、円安やインフレ、航空運賃の高止まりなどを要因に挙げる。特にハワイやグアム、バリといった収益性の高いビーチ方面が伸びていない。粗利を確保するための値付けも影響していると見るが、「まだまだチャンスはある」(同)として、スーパーサマーセールなどで積み上げを図る。
カテゴリ#観光・旅行業経営#新着記事
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