23年外客数、フランスが1億人到達 スペイン・米国が上位固める 日本は14位

2024.06.17 00:00

 国連世界観光機関(UNツーリズム)がまとめた23年の国際観光客到着数ランキングで、トップのフランスが1億人に到達した。前年の9320万人から700万人近く増え、世界で最も訪問される旅行先としての地位を固めた。2位スペイン(8517万人)、3位米国(6648万人)、4位イタリア(5725万人)、5位トルコ(5516万人)と続き、日本は14位だった。

 6位以降はメキシコ、英国、ドイツ、ギリシャ、オーストリアが続き、上位10カ国の顔ぶれは前年と変わらない。コロナ禍前の19年と比べると、フランス、スペイン、トルコ、ギリシャはすでに客数が上回り、完全回復を印象づけた。特にギリシャは13位から9位に上昇した。一方、中国とタイがトップ10から外れ、日本は2つ順位を落とした。

 国際観光収入は、1759億ドルを稼いだ米国がトップで、これにスペイン(920億ドル)、英国(739億ドル)、フランス(686億ドル)、イタリア(559億ドル)が続く。さらにトップ10にはアラブ首長国連邦、トルコ、オーストラリア、カナダ、日本がランクインした。米国は到着客数当たりの支出が2645ドルと群を抜き、2位の英国(1986ドル)と差を付けた。フランスは686ドルだった。

 一方、観光客の送り出し国として23年の観光支出ランキングを見ると、中国が1965億ドルでトップに返り咲いた。22年に1位だった米国は1500億ドルで2位に後退。以下、ドイツ(1119億ドル)、英国(1103億ドル)、フランス(490億ドル)と続いた。

 UNツーリズムは、24年に世界レベルで国際観光客数の完全回復を見込んでいる。23年は19年の89%、24年第1四半期は97%まで回復した。堅調な需要により、通年で2%増の14.9億人と予測している。