<PR>待望の羽田便就航で士気高まるグアム 新たな旅行商品の登場に期待感
2024.06.17 00:00

ユナイテッド航空(UA)は5月1日、路線開設申請から5年を経てようやく実現した羽田/グアム線の運航を開始した。グアムでは日本からの渡航者増に期待する声が上がり、需要喚起策も動き出している。
羽田/グアム線は機材にビジネスクラス16席を含む計166席のB737-800型を使用する。羽田を23時55分にたち、翌朝4時45分にグアムに到着。復路はグアムを19時に出発し、22時に羽田へ到着するスケジュールで、毎日運航。週32便を運航する成田/グアム線を補完するものだ。
UAの桐山謙一日本・ミクロネシア地区営業担当支社長は初便の出発ゲート前で催された就航セレモニーで、「横浜などを含む首都圏からグアムへ向かう際の利便性が向上し、日中便の成田線と併せてニーズに応じた柔軟な旅程の選択が可能になった」と語った。夏の予約の入りは堅調で、「円安という向かい風はあるが、勇気づけられる数字が出ている」という。羽田線は日本各地から国内線を乗り継いでも間に合うスケジュールで、今後は地方からの送客にも力を入れる方針だ。
グアム政府観光局(GVB)も羽田線就航に大きな期待を持つ。ナディーン・レオンゲレロ・グローバルマーケティングディレクターは現地で会見し、「羽田便は朝に到着するが、グアムには朝から遊べる所がたくさんある」と語り、ゴルフや日の出を見に行くハイキングなどを例に挙げる。

レジーナ・ネドリック・シニアマーケティングマネージャー
グアムへの日本人渡航者数は5月時点で23年比59%増まで回復したが、円安の影響で19年同期の33%にとどまる。ただ最近は100人を超えるMICEの申し込みもあるなど、確実に回復へ向かっている。FITやツアー客には30ドル分の電子クーポンを提供する「GOGO!GUAM PAY」などの施策も講じており、来訪増に期待したいとする。

グアムに現地法人を置く日本の旅行会社などで組織する日本グアム旅行協会(JGTA)の青木大和会長(エイチ・アイ・エス〔HIS〕グアム代表取締役社長)は、羽田便就航で「週末弾丸旅行といった新しい商品造成も可能」と話す。HISとしては、夏場の週末にチャモロ文化や簡単な英会話をランチ付きで学べる特別企画「謎解きdeグルメ」を予定。「安・近・短という理由で選ばれていたグアムが円安で従来よりも高額な商品になっている。お金を払ってもグアムに来ていただけるようなサービスを用意しなければならない」(同)
早朝到着に合わせ新サービス
羽田便の到着に合わせ、現地の宿泊・観光施設では新たなサービス体制を整えている。星野リゾートが経営する星野リゾートリゾナーレ・グアムは、アーリーチェックインやレイトチェックアウト、チェックアウト後には無料のシャトルバスでの送迎といったサービスを含む特別料金プランを用意した。神宮幸穂総支配人は羽田便に非常にアドバンテージがあると見ており、運航ダイヤも「時間を無駄にしない“タイパ”の良いフライト」と評価する。
デュシット・ビーチ・リゾート・グアムは、羽田便の利用客のみ到着後にデバラナスパ内のシャワーや更衣室を使えるサービスを行っている。また一部のカフェなどで搭乗券を見せれば朝食を30%割り引く。これらは姉妹ホテルのデュシタニ・グアム・リゾートの宿泊客も利用できるという。「主要客である日本人旅行者に早く戻ってきてほしい。そのためにサービスの追加や水族館をはじめとする施設の改装を行っている」(ディビッド・ボールドウィン総支配人)
海越えの12番ホールで知られるオンワード・マンギラオ・ゴルフクラブは、6時にレストランともにオープンし、7時からスタート可能だ。日本風の大浴場も新設工事を行っており、到着後の朝風呂やプレー後に汗を流して帰国することができるようになる。
18ホール中15ホールから海が見えるカントリークラブ・オブ・ザ・パシフィック(CCP)は、早朝に空港から直行する客が増えると想定し、送迎やロッカールームの改装を検討しているという。長野光志営業部長は「当ゴルフ場はカートでフェアウェイに乗り入れることが可能で疲れにくい。深夜便でグアムを訪れる客にはメリットがあるだろう」と利用増に期待を示す。
せっかくの新規路線就航ならば、従来とは違ったグアムを体験したい。最新施設として注目すべきは、ドン・キホーテ最大規模のショッピングモールとして4月に開業したDON DON DONKI VILLAGE OF DONKI(ドン・ドン・ドンキ・ヴィレッジ・オブ・ドンキ)だ。土産にもなるローカル商品を取りそろえる。フライトまでの時間調整にも使える374席の有料ラウンジも用意。1人2時間20ドルで利用でき、ソフトドリンクが無料で付く。
サンドキャッスル・グアムでは昨年から新プログラム「カレラ」が始まった。グアム、サモア、北米、欧州から集まった50人以上の演者によるエキゾチックなショーで、シルク・ドゥ・ソレイユなどに携わったスタッフが制作を担当。言葉の心配なく楽しめ、ファミリーでも安心だ。
アクティブにグアム全島を楽しむなら、レンタカーがお勧め。グアムは日本とは逆の左ハンドル・右側通行だが、道路は広く運転がしやすい。GVB は日本語のドライブマップも用意しており、スマートフォンのナビ機能を併用すれば地図も案内も日本語で対応してくれるので安心だ。

自然豊かなグアムでは、南部にまで足を延ばすと違った世界が広がる。例えばグアム最大のタロフォフォの滝を眺めたり、スペイン統治時代の雰囲気が残るイナラハンでは美しい天然プールに目を奪われる。ドライブ途中にジェフズ・パイレーツ・コーブに立ち寄り、ビーチでチーズバーガーをいただくのもいいだろう。週末ならデデドの朝市に足を運びたい。生活用品や食の屋台が並び、地元の人々も多く訪れている。
フィッシュアイ・マリンパークでは、昼は海洋保護区の素晴らしいサンゴ礁を舞台に海中展望塔や竜宮城シュノーケリング、夜はトロピカル感満載のアイランド・カルチャーディナーショーなど、「南の島の美しさのエッセンスをぎゅっと濃縮したアクティビティーをそろえてお待ちしております」と、谷彰洋総支配人。
現地の日本市場に対する思いは日本人が想像するより大きいかもしれない。「日本がグアム観光の礎になっていることを忘れたことはない。市場の回復に羽田便が寄与することを大いに期待している」(ナディーン・レオンゲレロGVBグローバルマーケティングディレクター)という言葉が現実のものとなることが望まれる。
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