免税品の不正転売、官民が対策 見極め難しく事業者に税務リスク
2023.10.02 00:00

観光庁と経済産業省は24年度の税制改正要望で、外国人旅行者向けの消費税免税制度のあり方を関係省庁が連携して検討することを求めた。転売目的での制度悪用を防止することなどが狙い。23年度の与党税制改正大綱に、「外国人旅行者の利便性や免税店の事務負担等を踏まえつつ、引き続き効果的な不正対策を検討していく」と記載されたことを受けた。全国免税店協会や日本百貨店協会からも、制度の抜本的な見直しの要望が出されている。
いわゆる転売ヤーが免税品を入手して国内で販売する不正行為が問題となっている。販売した免税店が免税申告を否認されるケースもあるなど、免税店側の税務リスクが高まっている。
現在の制度は、外国人旅行者等が購入する「通常生活の用に供する」物であって、出国まで未開封で海外に持ち出すのであれば輸出品と同じとの考え方に基づき、消費税免税の金額で購入できる。高額・大量・多頻度の購入などから、事業用や販売用であることが明らかな場合は免税販売の対象外。ただし定量的な基準はないことから、最終的な判断を委ねられている販売現場では明確な線引きが困難なのが悩みの種で、業務負担にもなってきた。
このため関係業界は、手続きのさらなるデジタル化を含め、諸外国の免税制度も参考とした抜本的な制度改正を求めている。
日本百貨店協会は独自の対策として、自主基準による販売管理システムを開発し、4月から約140店で導入済み。金額・個数・購入頻度などの項目で基準を超えると警告を表示して注意を促す仕組み。4~5月の運用状況は、200件に1件(0.5%)ほどの割合で警告が出たが、購入者の様子等を勘案して販売の可否を最終判断するという。
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