4~6月の国内旅行消費額、コロナ前の9割に 単価上昇で押し上げ
2023.08.28 00:00
観光庁によると、4~6月の日本人の国内旅行消費額は前年同期比27.7%増の5兆5963億円となった(速報値)。前年同期を上回るのは21年10~12月から7期連続。新型コロナウイルス感染症の位置付けが5月から5類に移行したことも追い風となったようだ。ただし、前年同期は行動制限が解除された直後で消費額が倍増(136.1%増)したことの反動もあり、相対的には21年10~12月の22.5%増に次ぐ、小幅な伸びとなった。
コロナ禍前の19年同期比では6.6%減で当時の9割まで回復した。1~3月は1.3%増とコロナ禍以降初めて19年同期比でプラスとなっており、4~6月で再びマイナスに転じた形だが、19年のゴールデンウイークが10連休で消費額が大きく伸びていたことも、その背景にありそうだ。
このところの旅行消費額の回復は旅行単価(1人1回当たりの旅行支出)の上昇が押し上げている。4~6月の延べ旅行者数は前年同期比15.0%増の1億3364万人(19年同期比18.6%減)。うち宿泊旅行が18.4%増の7282万人(同12.9%減)、日帰り旅行が11.3%増の6082万人(同24.4%減)と、人数はまだ19年同期に届かない。一方で旅行単価は11.0%増の4万1875円(同14.6%増)となり、すでに19年同期を上回る状況が続いている。
宿泊旅行の旅行単価は9.5%増の6万692円(同11.5%増)、日帰り旅行では8.7%増の1万9345円(同8.0%増)。物価高の影響に加えて旅行に関する消費意欲の高まりなどから、宿泊費や飲食費などが増加する傾向にある。この結果、総旅行消費額のうち宿泊旅行は29.7%増の4兆4197億円(同2.9%減)、日帰り旅行は21.0%増の1兆1766億円(同18.4%減)となった。
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