黄金KAIDOプロジェクト始動 静岡など中央日本4県、新たな観光ルート開発

2023.06.05 00:00

陸路と海路でつなぐ黄金KAIDOプロジェクトの立ち上げを発表した4県の知事・幹部

 新たな広域経済圏の創出を図ろうと、「山の洲(くに)」として連携する静岡・山梨・長野・新潟の中央日本4県は、観光誘客・周遊促進を目指し、「黄金KAIDO」プロジェクトを立ち上げた。新潟県の佐渡金山と静岡県の土肥金山の全長566㎞を陸路と海路で結び、地域への観光誘客を一体的に促進する。

 英語名はゴールドロード。佐渡と土肥に徳川直轄の金山があり、ルート中の長野県には金鶏金山、山梨県にも湯之奥金山があることから命名した。静岡、長野、新潟の3県には空港があり、国内・海外からのアクセスも良好で、「旅行会社の協力も得て、ぜひ行ってみたいと思われるようなプロモーションを展開したい」(静岡県観光振興課)考えだ。

 具体的には、リーズナブルな高速道路とフェリーの料金設定、歴史と食や温泉など多彩な観光資源との連携、メディアやSNSを通じた情報発信、ツアー商品の造成などを予定している。

 料金施策では、黄金KAIDOエリアの高速道路が4日間1万8300円(普通車)で乗り放題のドライブプランを7月から販売する。プラン利用者の駿河湾フェリー運賃半額や佐渡汽船の運賃割引のほか、土肥金山と佐渡金山の入場料も割り引く。また、「葵の御紋」巡礼の旅として、4県の徳川家にゆかりのあるスポットを巡り、葵の御紋が記された御朱印や御城印などを収集すると抽選でプレゼントがもらえる企画などを実施する。

 NHK大河ドラマの放映、世界遺産登録を目指す佐渡金山、世界遺産登録10周年の富士山、静岡県での東アジア文化都市2023の開催など、注目度の高まりを好機と捉えた取り組み。外国人旅行者には、いわゆるゴールデンルートがいまだに主流だが、縦のルートも広くアピールしていく。