『日経トレンディ2022年12月号』 来年こそは旅行のヒット商品ずらりと
2022.12.05 00:00
![](https://www.tjnet.co.jp/wp-content/uploads/2022/11/ac27993c7b868eb830aefbb42d6e55db.png)
ヒットもなにもあるかいな、というここ数年の旅行業界だったわけだが、日経トレンディが振り返る2022年のヒット商品も、1位が「ヤクルト1000」、2位が「ちいかわ」、3位が「PCM冷却ネックリング」など、日常を充実させるアイテムがずらりと並ぶ。
そんな中、キラリと光るのが25位の「旅行ガチャ」だ。同社のアワード「マーケター・オブ・ザ・イヤー2022」の優秀賞にもピーチ・アビエーションの「旅くじ」が選出されている。行き先に加えて現地でのミッションが与えられる旅くじは、コロナ禍での非日常感を求めるニーズを捉えた。記事中にあるように「旅の始まりを再定義した」ことは大きかったと思う。
同アワードでは「地球の歩き方」も優秀賞を獲得。売上高9割減、学研に事業譲渡という逆風の中、学研らしさと地球の歩き方の価値を融合させた旅の図鑑シリーズで存在感を示し、世間に「これが地球の歩き方らしさである」と示したのはカッコ良かった。
そして来年こそは観光復活でヒットも続々の予感!といきたいところだが、残念ながら23年のヒット予測1位は「コンビニジム」、以下「ステルス家電」「カスタムビール」と、旅行系はぜんぜん出てこない。ただ東急歌舞伎町タワー、ハリー・ポッター“ワールド”などエンタメ施設が続々開業、国内旅行やインバウンドは活況を呈しそう。
海外旅行はヒットがないというより予測できないのだと思う。マイナス要素ばかりが目についてしまうけれども、長年旅の仕事に携わった経験からいっても、終わらないトンネルはなかった。少し光が見えてきた22年をみんなで生き延びて、来年こそはこの企画に観光商品がずらり、な年にしようではありませんか。
![](https://www.tjnet.co.jp/wp-content/uploads/2022/11/27f8df253368c42861b9b2fd8c27289a.jpg)
山田静●女子旅を元気にしたいと1999年に結成した「ひとり旅活性化委員会」主宰。旅の編集者・ライターとして、『決定版女ひとり旅読本』『女子バンコク』(双葉社)など企画編集多数。最新刊に『旅の賢人たちがつくった 女子ひとり海外旅行最強ナビ』(辰巳出版)。京都の小さな旅館「京町家 楽遊 堀川五条」「京町家 楽遊 仏光寺東町」の運営も担当。
カテゴリ#BOOKS#新着記事
キーワード#山田静#新着記事
アクセスランキング
Ranking
-
釜石市、持続可能な観光でまた称号 日本初のゴールド賞 鍵は地域のマネジメント
-
米国、グローバルエントリープログラムを本格運用へ 東京・大阪の面接会に参加多数
-
6月の客室利用率は前年割れ 閑散期と単価重視が影響
-
ファーイースト・ホスピタリティ、日本で3軒目のホテル運営開始 3倍の2000室に拡大へ
-
日本籍船のディズニークルーズ誕生へ オリエンタルランド参入で市場に活気
-
競争入札と談合 成長領域の落とし穴
-
日本でも金融×旅行の流れ 三井住友カード、外資系OTAと提携
-
ベルトラ、韓国大手OTAと提携 インターパークに訪日商品供給
-
『奏で手のヌフレツン』 壮大な神話のような読了後の満足感
-
ニューカレドニア観光局が休局 情勢不安で打撃 日本の回復も遅く