空港ビル会社、赤字幅が縮小 売上高は回復基調 TSR調査

2022.11.28 00:00

 全国の主な空港ビル会社40社の22年3月期の業績は、コロナ禍で大打撃を受けた前期から回復を見せ、売上高の合計は前期比5.3%増の948億1239万円となった。40社のうち増収が33社で、減収は7社にとどまった。移動制限の緩和などを背景に乗降客数が4割増に回復。これに伴い空港ビル会社の売り上げも最悪期を脱し、改善の兆しを見せた。ただし、売上高合計は依然としてコロナ前の3分の1の水準にとどまっている。

 東京商工リサーチ(TSR)が実施した経営動向調査によるもので、40社のうち経常損益が判明した39社の合計額は371億310万円の赤字となった。前期の赤字531億4618万円から縮小したものの、コロナ前(20年3月期・147億9703万円の黒字)にはほど遠い。経常黒字を確保したのは21社で約半数にとどまった。前期に引き続き、売り上げ減少から固定費などを賄えない空港ビル会社が多かった。

 空港の経営改善の切り札として進められている民営化により、航空部門と非航空部門を一体経営している空港経営会社は全国で14社21空港に及ぶ。ただ、これらの空港経営会社も長引くコロナ禍で厳しい経営環境が続いている。乗降客数は底を打って回復の兆しを見せたが、採算ベースにはほど遠く、14社のうち10社が最終赤字を計上した。前期に唯一債務超過に陥った福岡空港は、22年3月期でも債務超過額が拡大している。

 空港民営化の議論はこれまで、訪日外国人など乗降客数の増加を前提に進められてきた。それだけにコロナ禍による事業環境の一変で、空港経営会社は赤字補填や事業計画の練り直しなどの厳しいかじ取りを迫られているとTSRは指摘している。

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