タビナカOTA、事業拡大へ提携加速 クルックが台風の目 中小の仕入れに影響も
2022.10.31 00:00

レジャー施設や体験などいわゆるタビナカ商材をオンラインで販売する事業者同士の提携が国内外で相次いでいる。その中心にいるのが香港のクルックだ。欧州の同業大手やOTA(オンライン旅行会社)と商品の共有で提携したのに続き、日本ではアソビューと10月21日に戦略的業務提携を結んだ。水際対策の大幅緩和や全国的な旅行需要喚起策による市場回復を見据え、商品の増強と販売拡大を図る。
アソビューが現在約1万社の国内レジャー施設に提供している業務支援システムとクルックのシステムをつなぎ、訪日外国人の集客から予約管理まで連携して行う。クルックは海外約5000社の販売事業者とシステム連携しており、アソビューのシステムを利用する施設はクルック上で訪日客に販売できる仕組み。アソビューが扱う施設をクルックの国内ユーザーにも提供する。
タビナカは成長領域だが、施設のデジタル対応が遅れている。コロナ禍を境にオンライン事業各社は入場者数の管理やチケットの電子化などを手助けし、ウェブで販売できる環境の整備、ひいては施設の経営改善を促してきた。旅行市場が本格的に動き出すなか、クルックはオランダのチケッツやブッキング・ドットコムと相次ぎ提携するなど、販売強化に乗り出している。
ただ、こうした動きは、中小旅行会社にとって脅威となるようだ。個人旅行手配を行うある事業者は「購入方法がどんどん限られている」と話し、仕入れに課題を抱える。大手の旅行会社やプラットフォーマーとのみ契約する施設が増えているためだ。個人のスマートフォンでないと事前予約できない施設もある。直販化や大手への流通集約の流れが「航空券やホテルからチケットにも及んでいる」としている。
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カテゴリ#観光・旅行業経営#新着記事
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