農協観光、非旅行業を強化 食と農を軸に 債務超過の解消急ぐ
2022.07.11 00:00

農協観光はコロナ禍からの経営再生に向け、旅行業に限定しない新ビジネスの構築を強化する。22年3月期(21年4月~22年3月)連結決算は取扱高が前期比5.4%増の84億9800万円、売上総利益が13.5%増の13億6300万円となり、最終損失は16億7000万円と前期の51億2100万円から改善した。しかし、旅行事業の激減が大きく響き、債務超過が47億8700万円となった。債務超過は2期連続。解消を喫緊の課題としてコスト削減等を徹底、強みである食と農に特化した事業運営を進める。
23年度までの3カ年の経営再生計画を見直し、2カ年の事業継続計画に改めた。経営再生計画では、本社ビルなど所有不動産の売却や借入、支店数を前年から半減、従業員3割減などの費用削減を実施。事業面では、農業と障害者の就労をつないで企業が後押しする農福連携事業を開始し、農家の労働力不足解消の支援、物販、ワクチン職域接種の運営受託、自治体公募事業への応札などに取り組んできた。
新たな展開を効果的に進めるため、旅行事業部を事業統括部に改め、既存の旅行事業のほか、JA活動支援事業、食と農を通じた地域活性化に貢献する地域共創事業などに領域を広げる。取扱高のうち非旅行事業は約20億円だが、今後は比率が高まると見ている。
【あわせて読みたい】農協観光、店舗や人件費削減 債務超過29億円で経営再生計画
カテゴリ#観光・旅行業経営#新着記事
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