訪日実証ツアーで観光再開へ前進 米国など4カ国 旅行大手6社が実施
2022.05.23 00:00

観光庁は観光を目的とした訪日旅行の再開に向け、5月中に少人数のパッケージツアー形式で実証実験を行う。添乗員が同行して行動を管理し、感染防止対策の順守方法や感染者が出た場合の対応、発生状況などを検証する。旅行会社や宿泊事業者が留意すべき点をガイドラインにまとめ、今後の本格再開に備える。当初は昨秋の実施を予定していたが、オミクロン株の流行に伴う水際対策の強化を受け、実施を見合わせていた。世界が規制緩和に向かうなか、日本もインバウンド再開に踏み出すこととなる。
変異株の非指定国で訪日重点市場の4カ国(米国、豪州、タイ、シンガポール)から、ワクチン3回接種者を対象に受け入れる。都道府県の同意が得られた地域を行き先とし、JATA(日本旅行業協会)が選定した旅行会社がツアーを造成する。取り扱うのは、訪日旅行の実績が豊富で各国とのネットワークを持つ6社。1ツアー4人以下で合計で50人程度を扱う。参加者は現地旅行会社が中心となる見通し。5月17日の方針発表から実施まで時間が限られるが、昨秋時点で準備していた下地があり、混乱はない模様だ。
米国と豪州を担当する東武トップツアーズは、東武グループの基盤を生かし、栃木県など北関東へのツアーを予定する。海外では取引のある旅行会社に働きかけるが、「早く訪日旅行を販売したいと待っている状況」(グローバル事業部・菊井浩太事業部長)といい、現地の期待は高いようだ。
訪日観光がストップして2年。ようやく実証実験にこぎ着けた。観光庁の和田浩一長官は「大きな一歩。これを有意義に活用してガイドラインをつくり、訪日観光の再開につなげていきたい」としている。
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