羽田空港、新たな価値創造へ新事業 保税アートオークション誘致 地域産品の販売支援も

2022.04.11 00:00

3月に行われた保税アートオークション。アンディ・ウォーホル作品が国内最高額で落札

 羽田空港の旅客ターミナルを運営する日本空港ビルデングとグループ会社のシンクタンクである羽田未来総合研究所は、羽田空港の新たな価値とビジネス創造へ保税アートオークションの誘致・開催に積極的に取り組んでいる。国内地域産品の販売支援も開始するなど、羽田のハブ機能を旅客の移動だけにとどまらず、経済・地域活性化への貢献を目指してより広範囲な事業展開を図る。

 保税アートオークションは、国際空港などの保税地域で実施するもの。20年12月と21年2月の関税法の一部改正で実施が可能となった。保税地域への持ち込みなら出品者が関税・消費税の支払いを用意する必要はないため、海外から参加しやすく開催の機会や規模を拡大できるメリットがある。

 羽田空港ではその立地・機能や保税管理の長年の経験を生かし、21年10月に日本で初となる保税アートオークションを開催。2回目の今年3月は国内と海外の複数のオークションハウスが参画するオークションを誘致・開催し、落札額は合計で31億4572万円(落札率82.0%)に達した。コロナ禍による旅客需要の急減という厳しい影響を受けるなか、非航空系ビジネスでの収益確保も推進する。

 羽田未来総合研究所がアート&カルチャー事業とともに力を入れているのが地方創生事業だ。その一環として、地域産品の販売支援を開始した。今回取り扱ったのは、鹿児島県南大隅町の人里離れた原生林で養蜂家たちが古来の自然を守りつつ育んできた貴重な日本ミツバチの蜂蜜。羽田空港第2ターミナルでテスト販売した。今後も地域産品の発掘や商品プロデュース、販路開拓、マーケティング、次世代の地域産品の育成等に取り組む。

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