通訳案内士の地位確立へ連合会 コロナ禍で廃業増加、訪日再開に懸念
2021.12.13 00:00

全国通訳案内士や地域通訳案内士を主な会員とする団体でつくる「日本通訳案内士団体連合会(通団連)」が発足した。コロナ禍で訪日旅行が途絶え、通訳案内士は廃業や転職を余儀なくされている。18年の法改正に伴う無資格での有償ガイド解禁や国家試験の高難易度も手伝って、受験者数は近年、減少の一途をたどる。課題の解決や地位向上を図るため、窓口を一本化して政府への提言機能を強化する。
10月1日設立時の加盟団体は7団体。全国で実働する通訳案内士は約1万8000人とみられ、このうち約2800人が参加しており、今後20団体に増える見通し。各団体の要望などをとりまとめ、広報活動や調査・研究、待遇改善に資する行政・旅行業界への提言などを行う。現在は任意団体だが、ゆくゆくは一般社団法人化を目指す。
12月1日に都内で会見した澄川雅弘代表理事・会長(日本中国語通訳案内士協会会長)は、「観光立国といいながら、インバウンドが戻った時、通訳案内士が誰もいなくなりはしないか」と危機感をあらわにした。コロナ禍でツアーの分散化や小規模化が進み、需要回復が早いといわれる富裕層が志向するアドベンチャートラベルへの対応も急務となっている。しかし、こうした新たなトレンドにもガイド不足がボトルネックになると懸念する。廃業は全体の2~3割に上る一方、20年の全国通訳案内士合格者は489人で前年に比べ2割少なく、16年との比較では約5分の1に減った。
同日は観光庁に要望書を提出し、需要回復までの給付金支給、スキルを維持するための学習機会確保の支援を求めた。また、試験のデジタル化などによる受験機会の増加や試験内容の適正化も要望した。
【あわせて読みたい】トラベリエンス、ガイド離職抑止へ収入源創出 動画で講座販売 JTBやトラベリエンス、ガイド救済へ新サービス創出 仕事激減で離職リスク 安曇野市、世界水準のガイド育成 アドベンチャー旅行に対応 佐渡市が通訳ガイド検索サイト、旅行会社や観光客とマッチング 育つか有償ガイド 規制緩和で見えた課題と展望
カテゴリ#観光・旅行業経営#新着記事
-
?>
-
雨風太陽、OTA事業を開始 百戦錬磨から宿泊予約サイト譲受
?>
-
募集+手配の同時契約に光明 グローバルユースビューロー、高リスク商材を積極販売
?>
-
Oooh、チャットとAIで現地に直接オーダーメード 「自由な旅を身近に」を実現
?>
-
JATAがカスハラ基本方針 旅行会社に策定促す 秋めどにモデルマニュアル公表
?>
-
日本旅行、営業利益8割減 24年12月期 受託事業縮小が影響
?>
-
商船三井クルーズ、新たに1隻投入 シーボーンから購入 26年運航開始
?>
-
HISが積立有給休暇制度 働きがい向上へ 時間単位の取得も
?>
-
ホテル開発投資、東京が人気トップ 需要回復と宿泊料上昇で CBRE調査