JTBやトラベリエンス、ガイド救済へ新サービス創出 仕事激減で離職リスク
2020.09.14 00:00
新型コロナウイルスの影響で訪日旅行ビジネスがストップし、仕事が激減した通訳案内士やガイドを救済しようと、新サービスを投入する動きが相次いでいる。政府は訪日外国人増加による需要の高まりを受け、18年に通訳案内士法を改正し、資格を持たずとも誰でも有償でガイド業務を行える体制を整えた。だが、訪日旅行の再開の見通しが不透明ななか、他業界への就職を視野に入れる人が出てきている。ガイドが収入源を得られるようにすることで離職を防ぎ、ガイド業界の維持を図る。
JTBは9月7日、ラグジュアリー旅行を専門に企画・実施するロイヤルード銀座が全国通訳案内士と国内を旅するプライベートツアーの販売を開始した。日本人向けに顧客の希望に沿って観光地や体験内容をアレンジする。通訳案内士は文化・歴史の説明を英語で行うものの、顧客の英語力に応じて、日本語でも補足する。英語を学びたいシニアや語学留学を断念した子供の需要獲得を狙っている。
トラベリエンスは7月下旬、通訳案内士に限らずベテランガイドが自身のガイドノウハウを伝える動画制作・販売のEラーニングサイト「ラーンウィズコーチ」を開始した。橋本直明代表取締役社長は、「コロナ収束時にガイドが不足しないよう雇用を生み出し、ガイド業界の維持を目指す」と話す。
開始から約1カ月半が経過し、サイトに公開されている動画は約30件で、購入は数十件。当初、新人ガイドや志望者向けの基礎的な研修講座の需要を想定していたものの、富士山ツアーガイドなど地方の講座が人気で、ベテランによる購入が目立つという。今後、地方や特定の専門領域を掘り下げる研修講座を増やす予定だ。
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