新GoTo、段階的に割引率引き下げ 終了後の反動考慮 GW後は自治体主導に
2021.11.29 00:00
政府が11月19日にまとめた経済対策で、耳目を集めていたGoToトラベル事業の再開に向けた制度の概要がまとまった。中小事業者に裨益する目的で割引率と割引上限額を引き下げ、低価格帯の実質的な割引率を拡大して利用を促す。需要の平準化では、地域共通クーポン券の利用額を平日に上乗せする。前回と大きく異なるのは、割引率の段階的な引き下げだ。GoTo後の需要減を避けるため、ゴールデンウイーク(GW)後に上限をさらに引き下げ、都道府県が地域の実情に応じて割引率を設定できる仕組みとする。
再開時期は早ければ22年1月下旬となる見通しで、夏休み前までの想定。年末年始や年明け3連休の感染状況を踏まえて国が判断する。繁忙期を避けるため、GW は対象から外す。ただし、感染状況に応じて必要と判断した場合には事業を停止する。事業者にはワクチン・検査パッケージの活用を求め、商品造成時や販売後など局面ごとのガイドラインを策定した。旅行後2週間以内に陽性となった際の報告や行動履歴の利用も条件とする。
割引率は従来の35%から30%、割引上限額は宿泊旅行で1万4000円から1万円に引き下げる。交通が付かない旅行商品は上限を7000円に抑え、地方への観光を支援する。地域クーポンは定額制に切り替えたうえで平日3000円、休日1000円とした。GW後は割引の上限を20%・8000円(非交通付き商品5000円)とする。
観光業界からは早期再開を望む声が大きい。そのため、再開までの観光需要喚起策として実施中の県内旅行割引を22年3月10日宿泊分まで延長し、準備の整った都道府県から隣県を対象に追加できるようにした。年明け以降は地域ブロックに拡大する。
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カテゴリ#観光政策#新着記事
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