UNWTO統計、1~3月の国際旅行者は依然83%減 回復開始は22年以降
2021.06.21 00:00

世界観光機関(UNWTO)によると、21年第1四半期(1~3月)の宿泊を伴う国際観光客到着数は前年同期に比べ83%減(1億8000万人減)となった。20年は通年で73%減となり、年が明けても観光産業は依然として新型コロナウイルスの影響を大きく受けている。しかし、先行きの景況感などを捉えたUNWTO信頼指数には緩やかな上昇の兆しが見られるとし、ズラブ・ポロリカシュヴィリ事務局長は「これまで抑圧されてきた旅行需要が高まっている」と述べている。
到着数の動向を地域別に見ると、コロナ禍前まで高い成長率を維持していたアジア太平洋は94%減と落ち込みが最も大きかった。次いで欧州が83%減、アフリカ81%減、中東78%減、米州71%減と続く。
専門家パネルの調査では、5~8月に若干の改善の見通しが示されている。欧州連合(EU)のデジタル・グリーン証明書など観光を安全に再開するための政策や一部の主要送客市場におけるワクチン接種のペースが回復を後押しすると見ているためだ。
ただ、国際観光の回復が始まる時期は、60%が22年に入ってからと回答。さらに19年水準に戻る時期については、最多の49%が24年以降と見ており、23年は36%、22年は14%だった。回復を妨げている要因としては、継続的に実施されている渡航制限や旅行・公衆衛生に関する手続きの調整不足を挙げている。
ポロリカシュヴィリ事務局長は「ワクチン接種が回復の鍵となる」とする。「北半球の夏季シーズンに向けて回復を望むのであれば、関係者間の協調と意思疎通を改善し、検査をより簡単に、より安価にする必要がある」と指摘して いる。
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