JATA、PCR検査や体調管理の感染対策ツアーで効果検証 12社が参画
2021.04.05 00:00
JATA(日本旅行業協会)は旅行出発前のPCR検査実施など新型コロナウイルス感染防止対策を講じたモニターツアーを行う。参画する会員旅行会社12社が4月上旬から中旬にかけて1泊2日以上の日程で催行し、有効性を検証する。参加客と受け入れ地域双方の安心と安全に加え、医療従事者に過度な負担をかけない新しい旅のあり方を示したい考え。
池畑孝治理事・事務局長はモニターツアー実施の背景について、「科学的根拠のないまま、旅行をすること自体が感染者を増やすと言われてきた」と述べた。これまで感染防止に向けたガイドライン設定などを行ってきたものの、世間の旅行に対する目は厳しい。JATAとしてできることを模索し、2月から準備を進めてきた。
講じる対策は、PCR検査のほか、陽性判明者による報告体制の確立、接触確認アプリCOCOA(ココア)の登録に加え、旅行者自身が旅行開始1週間前から終了後2週間まで既定の健康チェックシートに基づき体調を記録する。ツアー参加者は旅行代金を支払うが、PCR検査費用は旅行会社側が負担する。
催行するツアーの内容や募集方法などは各社さまざま。たとえばクラブツーリズムはワンランク上の旅「プレミアムステージ」で山梨県西山温泉の慶雲館に滞在する東京発のバスツアーを採用した。一方、日本旅行は社内研修旅行として実施する予定。T-LIFEホールディングスは、ダイレクトメールでリピーターから参加を募る。
JATAは各社がツアー実施後に旅行者や観光事業者から集めたアンケートを回収し、5月中旬に結果を発表する。必要に応じて旅行業のガイドラインなどを見直すことを視野に入れている。
カテゴリ#観光・旅行業経営#新着記事
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