空港型市中免税店、訪日客急減で撤退相次ぐ 継続へ対象シフトも
2020.10.26 00:00
![](https://www.tjnet.co.jp/wp-content/uploads/2020/10/1102_P06-02.jpg)
空港型市中免税店が相次ぎ閉鎖に追い込まれている。福岡国際空港が7月末、西日本鉄道と三越伊勢丹ホールディングスの3社で手掛けていた福岡デューティーフリー天神を閉鎖したのに続き、髙島屋も新宿タカシマヤタイムズスクエアでの事業継続を断念し、10月末に閉める。新型コロナウイルスにより出入国規制が続き、訪日客の回復が見通せず決断を迫られた格好だ。
空港型市中免税店は、出国後の制限エリア内にある免税店と同様、消費税に加えて酒・たばこ税など輸入関税が免除され、日本人も利用できる。訪日外国人が増加の一途をたどるなか、消費力を当て込んだ大手の百貨店や空港関連会社などが16年以降、相次ぎ乗り出していた。
髙島屋は全日空商事、ホテル新羅と組み、17年4月に新宿で初の空港型市中免税店を開業した。しかし、当初から収支計画を下回り、20年2月期は純損失17億3900万円を計上。黒字化を果たせないまま事業を打ち切る。集客対策やコスト削減策を講じてきたものの改善には至らず、将来にわたり業績の回復は困難と判断した。
一方、日本空港ビルデング、三越伊勢丹ホールディングス、NAAリテイリングの3社が展開するジャパンデューティーフリーギンザは、当面の対策として銀座を訪れる客にターゲットを移し、売り上げ確保に努めている。6月から一部商品に課税して販売、10月にはさらなる強化策を打ち出した。都内で入手しづらい京都のよーじやの期間限定売り場を設けたほか、今後の国際線回復に伴い海外への新婚旅行などを予定する層を対象に写真展を展開。ブライダル関連の宝飾品や記念品、化粧品などを免税価格でゆっくり買い物できる利点を周知している。
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