民泊管理業の緩和、登録要件固まる 27時間の実務講習で資格付与 地方の担い手増へ
2023.03.20 00:00

国土交通省は民泊の地方への普及を後押しするため、住宅宿泊管理業者の登録要件を緩和する具体的な方策を固めた。誰でも20時間の通信講座(事前学習)と7時間の講義を受けて修了試験に合格すれば、管理者としての登録資格を得られるようにする。今後、省令改正等に関するパブリックコメントの実施を経て、今夏にも講習実施機関の募集と講習開始を目指す。
民泊の運営に当たり、家主が不在の事業形態では、衛生の確保や騒音防止の説明、近所からの苦情への対応などの業務を管理業者に委託することが住宅宿泊事業法(民泊新法)や省令で定められている。管理業者になるには不動産業者であるか、宅地建物取引士やマンション管理業務資格などがあることが条件。しかし、これらの業者は主に都市部に集中していて地方では担い手が少なく、古民家や空き家を利用して民泊を運営するうえでの足かせとなっていた。
住宅宿泊協会など関係団体とも意見交換をして緩和内容を決めた。これにより地方での民泊施設が増えれば、国内外の観光客や都市部との交流人口の受け入れ拡大につながり、地域経済に貢献すると期待されている。22年6月に閣議決定された規制改革実施計画で、必要な措置を23年度に実施することとなっていた。
講習では、民泊新法の趣旨や管理業者の役割と義務、契約の手続きなどを学ぶ。新制度の受講者としては、ホテル・旅館等の宿泊事業者やDMO、地域おこし協力隊の関係者などを見込む。
2月14日現在、民泊事業の届け出は全国で1万8607件。このうち東京23区が5734件、政令市・中核市等が5098件と全体の約6割を占める。管理業者の登録は全国で2545件。
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