JL、国内線運賃を変動制に全面刷新 特典航空券にも適用 利用促進と収益性向上
2022.02.28 00:00

日本航空(JL)は23年4月12日搭乗分から国内線運賃を全面的にリニューアルする。現在の大人普通運賃、特便、先得など9種類の運賃を廃止し、予測残席数によって金額が変わるフレックス、セイバー、スペシャルセイバーの3種類に統合する。特典航空券も条件を見直し、基本マイル数で予約できる席に空きがなくても予測残席に応じた追加マイルを支払うことで予約を可能とする。変動型運賃(ダイナミックプライス)は個人包括旅行割引運賃でも20年4月から適用しており、種別を問わず全面的な導入となる。
全面改定の狙いは、シンプルでわかりやすくすることで利用促進を図りながら、イールドマネージメントを強化し収益性を高めることだ。コロナ禍の影響で経営は依然厳しい状況にあるが、グループの21年度第3四半期(10~12月)は、国内線を中心に旅客需要が回復したことでEBITDAは19年度第4四半期以来の黒字を達成。アフターコロナに向け、23年春の新卒採用(業務企画職・運航乗務員訓練生・客室乗務員)を再開するなど、着々と次の一手を進めている。
これまでの大人普通運賃はフレックスに名称を変更する。搭乗日当日まで購入可能な点は同じだが、混雑予測に応じて金額が変動する。早期購入割引タイプの運賃はセイバー(搭乗日1日前まで購入可能)とスペシャルセイバー(搭乗日28日前まで購入可能)の2種類に簡素化した。
クラスJとファーストクラス運賃は、普通席運賃への一定額加算ではなく、路線ごとにクラス別の金額を個別に設定。往復割引、小児・障がい者・介護帰省割引は適用をすべての運賃に拡大。乗継運賃は、旅程全体の通し運賃を設定して割安にする。
【あわせて読みたい】ダイナミックプライスの衝撃、岐路に立つパッケージツアー ダイナミックプライス 国内商品販売の現場の変化は? 国内旅行のダイナミックプライス、出足遅く対応二極化 ウェブ移行組も 新IIT導入と地域の危機感 国内旅行の2020年問題 変動型運賃の波 地上交通への広がりと影響 高速バスにもダイナミックプライシングの波
関連キーワード
カテゴリ#観光マーケティング#新着記事
-
?>
-
サステナビリティー重視度、日本はアジアの平均以下 アゴダ調査 廃棄物削減は実践
?>
-
ホテル開発投資、東京が人気トップ 需要回復と宿泊料上昇で CBRE調査
?>
-
持続可能な旅、消費者は言行不一致 WTTC調査 7つの対処法を提言
?>
-
訪日中国人、FIT化で高速バス利用増 ウィラーの春節期間11倍
?>
-
自治体公式観光サイトの閲覧数順調 トップ3は三重・新潟・岡山
?>
-
世界の観光都市、東京が初の3位 MICE開催地として人気上昇 ユーロモニター調査
?>
-
日本インバウンド連合会、「ループバウンド」を提唱 広義のインとアウト循環
?>
-
関東運輸局、江戸街道プロジェクトを推進 統一テーマでブランディング